安全に目的地に辿り着けるよう、飛行機の搭乗中は様々な規定に従う必要がある。離陸中に電子機器の電源を切ることもその1つだが、緊急電話をかけられなかったばかりに悲劇に見舞われてしまった女性がいる。
離陸直前に夫から “自殺する” とのメールを受け取った妻が、「緊急電話をかけたい」と客室乗務員に懇願したところ却下! そして飛行機の着陸後、妻は最悪のニュースを耳にすることになってしまったのだ……。
・離陸直前に夫から「自殺する」とメールが!!
米ウィスコンシン州に住むカレン・モムセン=エヴァースさんが、ニューオーリンズからミルウォーキーに帰省するため、米サウスウェスト航空会社の便に乗っていた時のこと。何ということか、離陸前に添乗員が最終確認を行っている時、彼女は夫から「自殺する」とのメールを受け取ってしまったのだ!
パニックに陥り、すぐに「自殺なんてしないで!」と返信して緊急電話をかけようとしたところ、客室乗務員に電話の電源を切るように言われたのである。
・緊急電話をかけたいと懇願するが……
それでも電話をかけようとしていた彼女の携帯電話を、今度は乗務員が払い落としてしまった。カレンさんが緊急事態であることを説明したにもかかわらず、乗務員に航空規則に反するからと緊急電話の申し出を断られてしまったという。
飛行機が旋回モードに入った時、彼女が他の添乗員に事情を説明して、自分が無理なら誰かが電話をかけてくれるよう頼み込んだが、“何もできることはない” と言われて拒否されてしまったのだ!
・事態は最悪の結果に!
それから着陸までの2時間、夫からのメールを見ながら居ても立ってもいられない思いで、カレンさんは2時間泣き続けていたとのこと。やっと飛行機が空港に着くと、すぐに警察に電話して警官がカレンさん宅に派遣されたが、時すでに遅く夫はすでに命を絶ってしまった後だった……。
・“他に何かできたのでは……” との妻の想い
サウスウェスト航空は、モムセン=エヴァース家に対して哀悼の意を示し、
「客室乗務員は機体と乗客に危害が及んだ時、機長に報告するようトレーニングを受けています。今回の件では、機長に報告は届いていませんでした」
と声明を発表している。カレンさんは、「他に何かできたのではないかと思うと、いたたまれません」と、悲しみをあらわにしている。
まだ飛行機が離陸する前だったのに、1分だけでも電話をかけさせてあげれていればと思ってしまう。状況によっては、規則でも例外を設けることができないのだろうかと、考えさせられる件である。