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税還付に韓国1時間・日本10秒

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税還付に韓国1時間・日本10秒、深刻な観光インフラ格差

 仁川国際空港3階の税関申告窓口には21日午後、外国人が50メートル以上も長蛇の列をつくっていた。航空会社のチェックインカウンターで搭乗券を受け取った観光客が韓国国内で購入した商品に課税された付加価値税(VAT)の還付を受けるために並んでいるのだ。手続きは複雑だ。税関申告を行った上で、出国手続き後、申告済みのスタンプがある領収書を税還付代行業者の窓口に提示してようやく還付が受けられる仕組みだ。

 ポーランド系カナダ人のジョリアン・サイズキビッツさんは「税関のスタンプをもらうのに30分、出国手続き後に還付を受けるのに30分待たされた」と話した。

 日本ではどうか。先月末の出張時に東京・新宿の量販店で5万円相当のアップルウォッチを購入した会社員、チャ・ジェガンさんは「店頭で外国人には税抜きで会計をしてくれた。その場で消費税8%を含まない金額で支払いを済ませ、領収書が旅券に貼り付けられた」と振り返った。空港で税金還付関連の手続きにかかったのは、旅券から領収書をはがし、税関に提出するわずか10秒間のみだった。

 これは今年に入り外国人観光客が40%以上急増した日本と観光客が伸び悩んでいる韓国の観光ソフトインフラの格差を示す一例だ。観光客に不便な韓国の税還付手続きは、外国人観光客が韓国を二度と訪れない要因になっている。

 韓国を訪れる外国人観光客は2008年の680万人から昨年の1420万人へと6年間で2倍以上に増えた。しかし、韓国の観光インフラはその間改善が進んでいないとの批判がある。このため、外国人観光客の誘致実績は、過去7年で初めて、6カ月連続で日本を下回った。世界経済フォーラム(WEF)が評価した国別の観光事業競争力ランキングも4ランク後退した。日本が2006年に観光立国を宣言し、10年間一貫して関連政策を進めてきただけに、韓国も観光政策全般を見直す必要性が指摘されている。
■韓国観光に赤信号
 韓国観光公社は20日、今年4月に韓国を訪れた外国人旅行者が前年同月比11%増の138万人だったと発表した。一方、日本政府観光局(JNTO)が20日発表した4月の訪日外国人客数は43%増の176万人だった。訪日外国人は昨年11月から爆発的に増えており、訪韓外国人数との差が広がっている。WEFが発表した今年の旅行観光競争力報告で、韓国の順位は13年を4ランク下回る29位に後退した。観光業界からは、交通費や宿泊費が上昇し、価格競争力が109位へと13ランク低下した影響が大きかったと分析している。一方、日本の総合順位は14位から9位に、中国は45位から17位に上昇した。

 韓国の観光事業を支える中国人観光客の1人当たり消費額も低下している。専門家は「韓国の不便な税還付手続きも影響を与えた」と指摘した。ロッテ百貨店によると、年初来今月20日までの中国人観光客による1人当たり購入額は58万ウォン(約6万4000円)で、前年同期を11%、2年前の同期を36%下回った。ロッテ免税店でも1-3月の中国人観光客による1人当たり購入額は80万ウォン(約8万8500円)で、前年を11%下回った。

■飛躍する日本、低迷する韓国
 日本を訪れる外国人観光客が増えたのは、円安で価格競争力が改善したことが要因だが、それだけではない。日本は観光客誘致に官民一体で取り組み、さまざまな政策を打ち出している。

 代表的なのがビザ政策だ。日本政府は昨年9月、インドネシア、フィリピン、ベトナムに対するビザ発給を緩和した。その結果、3カ国から日本を訪れた旅行者は23-59%増えた。

 韓国政府も3カ国に対するビザ緩和を昨年から検討したが、官庁間の意見調整が付かず、まだ実施できずにいる。

 観光客2000万人誘致を目標に掲げ、官民が有機的に動いていることも日本の強みだ。日本の与党自民党の二階俊博総務会長は今年2月、日本旅行業協会の関係者1000人を率いて韓国を訪れた際、韓国観光業界かたは「韓国の国会議員は何をしているのか」という自嘲混じりの皮肉が漏れた。二階総務会長は今月20日、観光業界関係者を含む3000人を率い、中国入りした。モドゥツアー・インターナショナルのチャン・ユジェ代表は「我々も外国人観光客が来るのを待っているだけではなく、海外での説明会開催などで攻撃的な誘致努力をすべきだ」と注文した。

 観光客誘致の障害になっている規制と複雑な手続きを撤廃すべきだとの指摘も聞かれる。漢陽大観光学部のイ・フン教授は「航空券の問題は国土交通部(省に相当)、モーテルは食品衛生法を扱う保健福祉部、VAT還付は関税庁がそれぞれ担当している。大統領か首相直属の観光委員会を設置し、ワンストップ式で観光に関するあらゆる事項を論議、決定する仕組みが求められる」と指摘した。



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