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【台湾ブログ】日本の「美味しい寿司」・・・なぜ台湾では食べられないのか

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 さっぱりとした味を楽しんで、さわやかな気分になりたかった台湾人が、ランチタイムに寿司屋に入ったという。台湾で知られているチェーン店の店舗だったというが、満足できず「美味しいはずの寿司なのに、どうしてこんな味になるのか」と顔をしかめてしまったとのこと。日本との違いを考察しブログに載せた。

お昼ご飯に寿司を食べ、「ご飯が硬かった。ネタである魚はまるで一晩置いたかのように分かれている。シャリとネタがくっついていない寿司なんて!」と落胆した、ブロガーのaswing(ハンドルネーム)さん。寿司はあんなに美味しい食べ物なのに・・・と嘆き、新鮮さが欠けた食材の食べづらさを実感したそうだ。


 筆者いわく、海に囲まれた島国なので新鮮な魚が獲れ、お米文化もある台湾なので「寿司の材料は揃っているはず」とのこと。「食材自体は日本に負けていない」と思うなか、どうして日本で食べるような美味しい寿司がないのか、と考えたという。その結果、筆者が出したのは「米の炊き方が日本に叶わないから」という答えだった。

 「寿司の基本になるのが米だ。多すぎても少なすぎてもダメで、また硬すぎても柔らかすぎてもダメ。丁度良い炊き具合をコントロールしなければいけないのである」と、シャリの重要性を強調した。白米のご飯を食べる台湾人ではあるが、炊き方に問題があるという印象を持っているそうだ。

 「台湾人はせかせかしているのか、或いは大雑把すぎるのだろうか。米一粒一粒が美味しい日本のようには味わえない」と、日頃から不思議に思っていたそうだ。「どうして日本人は炊き方や寿司の作り方の失敗が少ないのか?」と疑問を持ったという。加えてごはんの炊き方という技術面のみならず、寿司職人の調理時の心の込め方にも違いがあると述べた。

 日本の寿司屋は高級店ではなくとも、気軽に入れる回転寿司屋クラスでも職人は寿司作りに心を集中させる。「出された寿司は箸ではさみ持ちあげても崩れないのが当たり前。だが台湾ではシャリの上にネタが平らに置かれ、箸でつかむとすぐに分離してしまう。仕方なくネタに醤油をつけて食べるが、段々と怒りがこみ上げてくる」と説明した。

 「寿司」と一言で表すのは簡単だが、食材の鮮度や品質に始まり職人の握り方や心の入れようなどによって、全く違う食べ物になるようだ。日本人と台湾人のイメージする寿司は、大きな違いがあるかもしれない。台湾の中でできるだけ良い寿司屋を探したいと考えた筆者は、カウンターに座って職人の手の動きを観察するように心がけているという。

 「休みなく手を動かしてシャリを握る寿司職人の様子は、心を無にする禅学を思い起こさせる。ちょうどよい握り具合は職人の心の中にだけあるのだ」と感じ取り、剣を持つ姿に通じると考えた。「右手に気持ちを集中させると左手を忘れ、逆パターンもある。心をどこにも置かない時は、体と剣が一体になれる」と想像し、剣を操る技術がマスターできれば寿司を上手に握れるのではないかと述べた。

 寿司職人ではなく料理人でもなさそうな筆者だが、食にこだわり思い入れがあるらしい。作り手の心が乱れれば料理も自然とまずくなり、心を集中させて作れば美味しい料理が完成するという考えを持つようになったそうだ。とは言え、特別な技術や物を必要とするのではなく、「コツは考えながら手を抜かないことのみ」と訴える。

 「ご飯を上手に炊こうと意識し、気持ちを集中して美味しい寿司を握る重要な仕事を日本の寿司職人は貫いている」とまとめた。そして日本人には出来てなぜ台湾人には出来ないのかと悩み、結局のところ「台湾はいつも何でも少しだけ、日本に負ける」という言葉でブログを締めくくった。

 日本に勝てる訳ないというあきらめ精神ではないだろうが、大らかで情熱的な台湾の人々の国民性と比べると、繊細で丁寧な日本人気質が出やすい料理というのが、寿司なのかもしれない。筆者のような視点と発想を持ち、ご飯の炊き方や握り方にこだわる台湾の寿司職人が出現すれば、我々日本人が食べても納得できる美味しい寿司屋が名を上げそうだ。





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