中国のインターネット上に、日本人のごみマナーを称賛するブログが掲載された。
日本では市民にごみの分別を理解してもらうために市や区などから冊子が渡される。例えば、「紙の箱はたたんで資源ごみとして処理、古い食用油は…」とその内容は細かい。日本人は本当にまじめだ。食後の皿の油汚れは先に不要な紙でぬぐい、排水管に流す油を減らす取り組みまである。そして冊子にはカラフルなカレンダーが付いていて、曜日ごとに出せるごみの内容を色で教えてくれる。しかし、その曜日になったからといって自由な時間にごみが出せるわけではない。カラスの多い日本では、ごみ出しの時間を指定してカラスによるごみのまき散らしを防ごうとしている。
日本に来たばかりの留学生にとって、日本式のごみ出しはすごく面倒だ。「誰も見ていなければ適当に捨ててやれ」という気持ちを持つことだろう。しかし、日本にはボランティアによるごみ出し指導があり、ルールを破った場合はそのごみを突き返されるということだってある。「言葉が分からなかった」は理由にならない。なぜなら、手元のごみマナーの冊子には、中国語の説明だってあるからだ。新しい部屋を借りる場合も仲介業者はごみの出し方について何度も念を押し、最後に深々とお辞儀をして帰っていく。日本では職業に対する差別はほとんどないが、衛生マナーを乱す者には白い眼が向けられる。
私が最も印象深かったのは、ある居酒屋で食事を取った後のことだ。店を出た時、近くで犬を連れた女の子が泣いていた。外まで見送ってくれた店の主人がわけを尋ねたところ、「お腹を壊した犬のために持っていた水とちり紙を使ったが、足りなくなって途方に暮れ、泣いてしまった」ということだった。主人から水とちり紙を渡された女の子は何度もお辞儀をし、笑顔を見せた。
日本では犬の散歩の時に、地面をきれいにするための水とちり紙、ビニール袋を持参する。日本を初めて訪れた人はその清潔さに驚き、雨が降った時でさえ透明な路上の水に再びびっくりするだろう。
ごみ出しという小さな点から、日本社会のルールが見える。秩序であり、形成された文化とも言えるだろう。ごみマナーの背後には、秩序を重んじる日本の文化がある。われわれの教育は人格の形成に重きを置いているが、これは日常生活を通じて学ぶものなのだ。