時に子供は、大人よりも残酷なことを言って人の気持ちを傷つけることがある。残念ながら、いつの時代になってもイジメはなくならないものだが、あるゲイの教師が、オカマ呼ばわりされてイジメられていた児童のために、クラスで「王子様同士が結婚する絵本」を紹介。
すると、保護者や教育関係者から賛否両論の声が挙がり、大きな波紋を呼んだというのだ。読者の皆さんは、この教師の教育指導をどうお思いになるだろうか?
・イジメられていた児童のためにとった先生の指導が斬新!
イジメられていた児童を救うために、授業で王子様同士が結婚する絵本を読んで聞かせた教師は、米ノースカロライナの小学校で教員を務めるオマー・カリー先生だ。
ある日、自身が同性愛者である彼は、3年生の児童が他の子供達から “オカマ” や “女” と呼ばれてイジメられてるのを耳にした。そこでカリー先生は、イジメっ子を校長室へ連れて行く代わりに、少し変わった方法で教育指導することにしたのだ。
・男同士が結婚する絵本を読み聞かせた教師
彼の指導は、クラスで『King&King:王様と王様』という絵本を児童に読んで聞かせるというもの。そのあらすじは以下のような感じである。
「ある国の王子様が結婚相手を探していました。王子様は数多くのお姫様と会いますが、全く興味を持てずにいました。そうこうするうちに王子様は、他の王子様と出会って恋に落ちてしまったのです。こうして二人は結婚して、一緒に王様になりました。めでたし、めでたし!」
よく目にするおとぎ話では、“お姫様と王子様” が結婚してハッピーエンドという展開ばかりなだけに、子供達の反応は一体どうだったのだろうか!?
・“どんな人にも親切にするのべきだ” と説く先生
すると児童の一人が、“男同士が結婚するところを見たことがないから、聞いていて居心地が悪かった” と感想を述べた。その意見に対して先生は、「慣れないものを目にした時に、居心地の悪さを感じるのは普通だ。だがモラルって何だろう? どんな人にも親切にするべきじゃないかな?」と説いたのだ。
・保護者から賛否両論の声が!
だが、先生のこの教育指導を快く思わなかった保護者3人が、学校側に正式な苦情を申し立てたとのこと。そこで、200人もの保護者が参加した集会が開かれたが、ほとんどの保護者がカリー先生を支持する意を示したそうだ。
ゲイであるばかりに、学生時代は “オカマ” と呼ばれてイジメられてきたという先生は、イジメられていた児童の気持ちが痛いほど分かったのだろう。アメリカの学校の教科書には、ゲイの政治家や芸術家などが多く紹介されるようになっているだけに、同性愛に関する教育指導も、今までとは少し違ったアプローチが必要になってきているかもしれない。