「北」との緊張が続く韓国。その晩も韓国軍某部隊は山間部で、夜間行動の訓練をしていた。28日午前1時半ごろだった。周囲は漆黒の闇だ。木製の橋を渡った。その橋が中央部分でまっぷたつに折れた。21人が約3メートル下に落ちた。中国国際放送が報じた。
訓練に参加していた将兵は約100人だった。橋は長さ15メートル、幅2.5メートルで木製だった。「いきなり折れた」という。
「防御のオプション」はなかった。折れた部分に最も近かった兵士は、そのまま垂直に落下した。前後にいた者は、すべり落ちた。岩まじりの地面に落ちる者、その上から重なる者が続いた。鈍い音が響いた。闇の中でうめき声が折り重なった。
軍とはそもそも、目的を「敵戦闘力の消滅」に絞り込む存在だ。そのため「冷酷な合理性」を特徴とする。目的達成のためには自らの状態を可能なかぎり良好にする。だから厳しい訓練は当然だ。しかし訓練で想定外の負傷者を出したのでは、自らに律さねばならない合理性に反することになる。
韓国軍関係者によると、夜間訓練の前に現場の「偵察活動」はきちんと行った。橋の安全性も確認した。しかし折れた。目下のところ原因は不明で、橋が架けられた状況から改めて調査するという。橋は2014年11月に作られたばかりだった。
突発事態の発生に、軍部隊は迅速に対応した。重傷者から先に、医療施設に搬送したという。
同事故で、死者は出なかった。