シリア北東部でキリスト教徒の戦闘員が、「処刑」された人々への報復だとしてイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の戦闘員を斬首した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が29日明らかにした。
事件は28日、ISが農村部の大半を制圧しているハサカ(Hasakeh)県で起きたとされる。シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、このキリスト教徒は少数派住民のアッシリア人で、タルシャミラム(Tal Shamiram)村で発見・拘束した人物がIS構成員だと分かると地域一帯におけるISの蛮行に報復するため斬首したという。
このキリスト教徒戦闘員は、ハサカ県内の十数か所のアッシリア人の村から5月にISを駆逐したクルド人部隊に参加していた。ISはシリア、イラク両国の制圧地域で、公の場での斬首や集団処刑、住民の奴隷化、婦女暴行といった蛮行を繰り返している。