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爆撃機か偵察機か…ナゾの米無人宇宙船「X-37B」 すべて極秘の向こう側

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 米空軍が20日、スペースシャトルを小型化したような無人宇宙船「X-37B」を米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。打ち上げは今回で4回目となるが、米軍はこの宇宙船の主要任務など詳細を全く公表しておらず、分かっているのは次世代の電気エンジンを搭載しているということだけ。
今回も飛行期間すら公表せず、すべてが極秘扱いの打ち上げとあって、欧米メディアは専門家の声などを交え、宇宙から敵国を監視する無人偵察機や、宇宙から敵国を爆撃する「宇宙爆撃機」として使用できるといった見方を報じている。(SANKEI EXPRESS)










電気エンジン、再利用可能

 米CBSテレビや英紙ガーディアン、デーリー・メール(いずれも電子版)などによると、X-37Bは米東部時間の20日午前11時5分(日本時間21日午前0時5分)、アトラス5ロケットに載せ、地球の周回軌道に打ち上げられた。


 スペースシャトルのような外観のX-37Bは、全長8.9メートル、高さ2.9メートル、翼幅4.5メートルでスペースシャトルの約4分の1という小サイズ。そのため人間の運搬には小さ過ぎるが、小型の人工衛星を積み込むには十分な貨物室がある。動力は現在主流になりつつあるキセノンガスを使うイオンエンジンに似た次世代の電気エンジンで、スペースシャトルと同様、何度でも再利用できる。

 しかし、分かっていることはここまで。米空軍研究所宇宙ミサイルセンターの司令官、トム・マシーロ少将は声明で「監視や偵察、ミサイル警報、気象予測など多くが宇宙科学に依存している」と述べ、X-37Bで軍事を含む広範な技術分野をテストする考えを示唆(しさ)。さらに「燃料コストを下げることで宇宙船運用の柔軟性や寿命が向上する」と説明し、新しい電気エンジンが新技術の運用にも寄与すると強調したが、任務の具体的な内容は明かさなかった。一方、空軍のクリストファー・ホイラー広報担当はX-37Bの目的について「特定できないが再利用可能な宇宙船の運用概念の進展を後押しする」と述べるにとどめた。


「情報への欲求は底なし」

 X-37Bは米ボーイングが開発し、1999年から実験がスタート。打ち上げは2010年4月から12年12月まで3回実施し、累計1369日間宇宙に滞在した。今回の打ち上げでは、前回3回目の宇宙滞在の自己最高記録675日の更新が期待されているが、米空軍はこれまで同様、滞在予定期間はおろか、その目的について秘密主義を貫いている。

このため、米欧メディアではX-37Bの目的について、さまざまな見方を伝えている。

 米軍事防衛専門のニュースサイト、ディフェンス・ワンは、多くの専門家による話として、宇宙を舞台にした米政府のスパイ活動に加え、中国の人工衛星や宇宙ステーションの監視、宇宙空間で太陽光などに長期間さらされた際の宇宙船への影響の調査をあげた。米CBSは長期間の宇宙飛行を可能にする太陽電池技術の軍事転用を指摘している。

 また、米科学者連盟(FAS)のメンバーで機密情報研究の専門家、スティーブン・アフターグッド氏は英大衆紙デーリー・メールに「機密情報を得ようとする米国の欲求は底なしだ。人工衛星の能力には限界があり、無人偵察機として使う可能性が非常に高い」と説明。宇宙爆撃機になり得る可能性や、敵国の人工衛星を破壊して代わりに積み込んだ自国のスパイ衛星を宇宙空間に配備するといった使い方もあると説明した。







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