香港のある高齢者介護施設で、入居者の尊厳を無視するような事態が明らかになった。女性入居者を入浴させる際、衣服を脱がせた状態でベランダに立たせ、順番待ちをさせていた。南部都市報が伝えた。
報道によると、問題が発覚した高齢者介護施設では12人の女性入居者に入浴をさせる際、3階のベランダで衣服を脱がせ、半裸や全裸の状態で待たせていたという。ベランダにはついたての類はなく、近隣のマンションから丸見えの状態だった。報道は香港社会に大きな反響を引き起こしている。
香港労工・福利局の張建宗(マシュー・チョン)局長は「重要な事件として現在調査中だが、もし報道のような事実が確認されれば、入居者のプライバシーを深刻に侵す虐待事件として絶対に看過することはできない。同施設に対しては営業許可の取り消しも考え得る」とした。また、問題の施設側は「雇用契約や就業規則に違反があったとしてすでに1人の解雇を決めた。ほか数人に対しても何らかの処分を下す」とし、「入居者やその家族、香港市民に対し深くおわび申し上げる」との声明を発表した。