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 浅田真央効果でテレサ・テンが改めて注目を浴びている。

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(酒井政利(さかい・まさとし))

 きっかけは、自身のラジオ番組で「チョイスがちょっと渋いと思ったけど」とテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』を選曲したこと。

 スケートの続行を「ハーフハーフ」として休養している最中に「何ができるのか思い浮かばなかったとき、この曲を聴いて気持ちが楽になった。ジーンと来る」とその理由を話した。

 休養中、今後どうするかを考える度に「まだできる、いや、できない」の繰り返しだったようで、まさに「先のことは誰にもわからないし、自分にもわからない。時の流れに身をまかせて生活してきました」と、歌詞と自らの日々をリンクさせて話した。


 また曲のタイトルにも「すごく気持ちが楽になった」そうで、「本当に“一度きりしかない人生”なので、悔いなくやりきりたいという思いもあります」と本音を吐露。

 放送が流れた直後から、1986年に発売された『時の流れに身をまかせ』も収録されている、没後20年の追悼ベストアルバム『テレサ・テン 40/40~ベスト・セレクション』が一気に売れ始めた。

 『時の流れに身をまかせ』は不倫中の若い女性が、かなわぬ恋のつらさを抱えながらも、ひとときの幸せをかみしめるというせつない女心が歌詞に描かれた、テレサ・テンの代表曲である。

 ネット上では、テレサ・テンを知らない世代が、《今はあなたしか愛せない》の部分を《今はスケートしか愛せない》と置き換えて聞いているのではないかという発言も目立った。

 昭和歌謡の歌詞は、やや湿り気の中で日常の生活に溶け込んでいる場合が多い。テレサ・テンの歌唱は、湿り気を含みながらも軽く届くところが受け入れられた。

 平成歌謡はどこか抽象的で、イメージだけが先行しがちである。その分、一見スマートでいても届かない。

 人が歌に触れるとき、心が元気であればどんな歌詞でも素通りしがちだが、やや疲れていたり、悩みを抱えているときには、知らず知らずのうちに歌に癒しを求めてしまう。そんなとき、心に沁み入る歌詞に出会うと、勇気づけられたり元気をもらえるのだ。


 昭和歌謡と言えば、研ナオコのデビュー45周年記念アルバム『雨のち晴れ、ときどき涙』が売れている。アマゾンでは一時的に在庫切れになったほどだ。

 アルバムのキーワードは“昭和歌謡”。本人が選んだという昭和の名曲『舟唄』『別れの朝』『夢芝居』『糸』など8曲を新しいアレンジで収録。ジャズアレンジの『アカシアの雨がやむとき』は、大人の世界観を聞かせて魅了される。

 他にも長年、研がファンだったことで楽曲を依頼した玉置浩二の書き下ろした『ホームレス』、中村中の書き下ろし曲など全10曲を収録する。


 玉置から送られてきたメッセージ付きの仮歌を聞いたとき、研は「号泣した」という。大切な人への思いを歌ったバラードは、研の心に深く染み込んだようだ。昭和の名曲を歌ってヒットを飛ばしてきた研が、平成に歌う昭和歌謡もひと味違って味わい深い。








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