(金山昌秀:インターコープ宣教会 韓国籍金昌秀)
“神社仏閣連続油ぶっかけ事件”で千葉県警から逮捕状の出ている男・金山昌秀(52)が、シンガー・ソングライターの宇多田ヒカル(32)とのツーショット写真を撮りたがっていたことが判明した。同時に“プロフェッサー”こと作曲家の坂本龍一(63)とも接触を望んでいたという。狙いは、油で悪霊を退散させるというヘンテコ教義を持つカルト教団の信者集めの広告塔にすることだったようだ。
Kは日本国籍ながら米ニューヨーク在住で、「医学博士」「大学准教授」といった肩書を名乗りつつ、韓国系のキリスト教団体を主宰。日本や北欧、東南アジア各国などでも積極的に布教活動を繰り広げていた。
その過程でのかなりミーハーなエピソードが、本紙取材で明らかになった。ニューヨークで知り合った日系人ミュージシャンY氏に、「坂本龍一か宇多田ヒカルを紹介してほしい」と頼んでいたというのだ。
「昨年の秋ごろ、知人の作曲家を通じて電話で連絡してきたんですが、あまり音楽に詳しい様子ではなく、ニューヨーク在住の日本人タレントを探しているふうでした」とY氏が当時を振り返る。
聞けば最初に名前を出してきたのは、昨年7月に中咽頭がんのため治療に専念すると公表したばかりの坂本。
坂本はニューヨークを拠点としている。
金山は「自分は医学博士で、世界的に医師の人脈を持っているので力になれる」と豪語したという。
「確かに坂本さんはニューヨークにお住まいですが、そう簡単に会える方ではない」とY氏が言うと、金山はすぐに宇多田の名前を出し、「自分は子宮内膜症を治す奇跡の医学博士だ」などと言ってきたそうだ。
宇多田は、19歳のときに卵巣嚢腫(のうしゅ)の摘出手術を受けているが「宇多田さんがそんな病気(子宮内膜症)だなんて聞いたことはありませんし、そもそもニューヨークにいたのは何年も前のこと。Kさんのことは怪しいと思ったので、それ以上は話しませんでした」(Y氏)。
世界的ミュージシャンの坂本や宇多田とKが接触したがった目的は何だったのか?
ただ「ニューヨーク在住の有名人とのツーショットをやたら撮りたがっていて、そんな仲介を依頼してきました。『写真が撮れるのなら報酬を払う』と言ってきました」とY氏。ということは、やはり自らの布教活動のため、坂本や宇多田とのツーショット写真を宣伝材料にしようとしていた可能性は高いだろう。
というのも、過去の講演では世界中に多くの信者がいると自慢していたKだが、その実態は本紙昨報通り、各所でカルト教祖扱いを受け、信者が激減していたから。
金山が活発に布教活動をしていたノルウェーでは、正統派のキリスト教団体がKの活動を「カルト団体」として非難。地元記者によれば「聖書をねじ曲げて解釈していた異端者という見方をされて、関わりを注意するよう警告文が出された」という。
「もし金山さんが日本でまっとうな宣教師として認識されているのなら問題だとして、今年1月、ノルウェー人の教職員が日本へ確認しに行ったほどです」(同記者)
日本全国を回った講演活動では「誰も連れて行かないように神に命じられた」と話している金山だが、その実は寺や神社を油で清めるという奇行に励んで、信者集めがままならなかったのかもしれない。
有名人を広告塔にする宗教団体は多いため、金山にも同様の狙いがあったようだが、それにしても初対面のミュージシャンY氏にいきなり坂本や宇多田の仲介を頼むとは、自身の犯行を告白した講演動画をネットで流す行為並みにお粗末だ。