中国湖北省荊州市監利県の長江で大型客船「東方之星」が転覆した事故で、中国政府は5日朝、大型クレーン船で船体をつり上げるための作業を開始した。つり上げて船体を転回させ、難航する捜索作業を行いやすくする。
死者は82人に増え、行方不明者は360人。救出された14人を除き、交通運輸省報道官は「生存者がいる可能性はない」と厳しい見方を示している。
政府は4日夜、船体のつり上げ開始を決定していたが、つり上げを行う4本のワイヤロープのうち、1本の固定に手間取ったほか、水上に深い霧が立ち込め、準備が遅れた。2隻の500トン級クレーン船とワイヤロープをつなぎ、転覆した船体をつり上げ、5~6時間で元の姿勢に戻し、船内の行方不明者を捜索する計画だ。