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平安京以前の自生林45本撤去へ 下鴨神社マンション計画

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下鴨神社(京都市左京区)のマンション建設計画で、境内の「糺の森」を特徴づけるニレ科の樹木45本が、建物や駐車場の建設工事に伴い、撤去されることが4日分かった。ニレ科の木々は古代の森を知る貴重な手がかりとされ、神社は当初、樹木は保存するとしていた。

 この計画は、下鴨神社が「第3期糺の森整備計画」と位置づけている。京都市が計画に基づき、市美観風致審議会景観専門小委員会へ提出した資料から分かった。

 資料によると、建設予定地に自生するエノキやムクノキなどニレ科の樹木95本のうち、マンションの本体や駐車場にかかる45本を、伐採するか別の場所に移植する形で撤去する。このうち8本は幹周り2~3メートル、2本は同3メートルを超える。残りの50本は現状のまま保存する。

 ニレ科の樹木は、平安京が造営される以前から京都にある。山城原野の樹林を構成していた樹種が糺の森には数多く自生し、古代の面影を伝える象徴的存在だ。

 下鴨神社は今年3月にマンション計画を発表した際、「残っている木をよけて集合住宅を配置していく」として、建設予定地のニレ科の樹木を保存する姿勢を強調していた。

 下鴨神社は取材に対し、「担当者がいないので答えられない」(広報係)としている。

 開発事業者のジェイアール西日本不動産開発の下鴨計画準備室は「(どの樹木を伐採するかは)今の時点では確定していない。下鴨神社の学術顧問と相談しながら、それぞれの樹木にふさわしい対応を考えていく」としている。

■原野の名残、貴重な存在

 社叢(しゃそう)(神社の森林)の生態に詳しい前迫ゆり・大阪産業大大学院教授の話 糺の森は鴨川の氾濫によってつくられた山城原野の名残であり、その中でも群生するニレ科の樹木はかつての森の姿を知る貴重な手がかりとなる存在だ。特に大木は環境指標としても重要。撤去は残念であり、京都の宝として未来に向けて残してほしい。







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