中国貴州省畢節市で9日、父親が出稼ぎで居ず母親が行方不明だという貧困層の4人兄弟全員が農薬を飲み死亡した。自殺とみられている。同地区では3年前、ホームレス児童集団一酸化炭素中毒死事件がまだ記憶に新しく、貧困問題対策を講じない当局への批判の声が噴出している。
中国国内ニュースサイト「澎湃ニュース」によると、自殺したのは一番上が長男13歳で、一番幼いのは5歳の1男3女。4人は毎日、トウモロコシの粉を粥にしたものを食事としていた極貧層の一家。母親は3年前から行方不明になり、父親は今年1月から出稼ぎで家を留守にしていた。
父方の祖父母は他界し、高齢者である母方の祖父母は同居していない。伝えられている親せきの話では、兄弟らが1カ月前に経済的事情で学校を中退し、食事は父親が自家栽培したトウモロコシのみで賄っていた。
報道を受け、インターネットでは貧富格差を嘆くコメントが多数寄せられている。
「朱門酒肉臭、路有凍死骨(金持ちの家では酒と肉が腐るほど余っているのに、路地にはホームレスが凍死している)」
「世界第二の経済大国への(面子を潰す)顔面パンチだ。これがいわゆる社会主義なのか」
「貧富格差が大きすぎる。農民は都会に出稼ぎするほかない。それでも家も買えなければ我が子をも養えない」
2012年11月、同市で寒さをしのぐためゴミ箱に身を寄せ合ったホームレス児童5人が一酸化炭素中毒により死亡した。このことは当時、国内外で報道され、貧困問題に対する強い非難を巻き起こした。