11日の韓国・クキニュースによると、韓国ではインターネット上で知らない人を相手に金銭を要求する“ネット物乞い”が爆発的に増加している。
「物乞い」の現場はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やインターネットコミュニティ、ブログなど様々。
事例も多様で、空腹のために少額の食事代を要求するものから、「社債のために家族が路頭に迷った」と大金を要求するものまである。
自称26歳の女性は最近、SNSでバレエのレッスン費用の一部27万ウォン(約3万円)を支援してほしいと書き込んだ。彼女は自分の全身写真とともに「デートもできます」というコメントを付けている。
インターネットコミュニティ「ローンギャラリー」では、「便器で頭を洗えば1000ウォン(約110円)くれるというから洗った」というタイトルの投稿が注目を集めている。投稿には、実際に髪を洗っている写真に、本人の口座番号も添えられていた。
大手ポータルサイトのQ&Aサービスでも、匿名のネットユーザーが「人を生かすつもりで、一度だけ助けてくれ」と借金の返済金65万ウォン(約7万2000円)を要求した。週内に返済できない場合は「どんなことが起こるか保証できない」という不気味な文章を残した。
1300万人の会員がいる中古品売買サイトでは、露骨な物乞いが溢れている。あるベビーカーの売り手は「とにかく必要なので、タダでください」というメッセージを送られ、丁重に断ると悪口が返ってきた。また、携帯電話を販売するグループには「最近は無料の携帯電話も多いのに金を取るのか」「タダでくれ」といった要求が多く寄せられるという。
“ネット物乞い”が国境を越え、海外で恥をさらした例もある。
昨年、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの王子で世界的な大富豪シェイク・マンスールのSNSには、複数の韓国人ネットユーザーがコメントを寄せた。その内容は「金持ちにして欲しい」「車を買ってください」「2億融資してください」など。銀行名と口座番号まで書き込んだユーザーもいたという。この有様に、アラブ人からは「韓国人には失望した」といった声が噴出。別の韓国人ネットユーザーが「国家のイメージを貶める一部の人の行為で気分を害し、遺憾に思う」などと謝罪した。
“ネット物乞い”の経験があるソウルの20代の若者は、取材に対し「経済的事情で食事に困っていた時期、インターネットコミュニティで事情を打ち明けたら、哀れに思った人が食べ物を送るという連絡をしてきた。最初は『頑張って仕事をする必要はないんだな』という気がしたのは事実。一度そういう経験をすると、嘘が増え続けて、そのうちインターネットに頼るようになった」と明かしている。
これに対し、韓国ネットユーザーからは様々なコメントが寄せられている。
「お金をくれれば何でもするという恐ろしい新自由主義社会」
「10億ウォンを稼げるなら、刑務所にでも行くという最近の若者。人生においてお金がすべてじゃないのに、なぜこうなったのだろう?親の責任が大きい」
「国が狂って行く」
「MERSと一緒に国家的な恥」
「国際的な恥。だが、それくらい経済状況が深刻という証拠。MERSと共に暗いトンネルから脱出できるだろうか?」
「名誉よりお金の世の中。正直、退職後は金が物を言う」
「どうか自発的に、主体的に生きてくれ」
「こういう国を私たち国民が作ってしまった。タダなら何でもいい。自分のお金は大切だが、他人のお金ならどうでもいい。拝金主義がまん延している」
「子供をきちんと育ててくれ。外国でまでこんなことをするのは、恥ずかしい」
「今、外国に暮らしていて中国人の友人がいるが、自分に食事をおごる韓国人は私一人しかいないと言う。中国人はカネを持っているからと、食事やら酒を奢ってもらうだけの韓国人が多すぎる」
「バイトをしてお金を稼げ。物乞いはいい加減にしろ。お金持ちにはなれなくても、最低限、自分の食べる分は自分で稼げ」
「仕事をせずに、カネをもらいたいなんて、心が腐ってる」