「中原網訊」(6月9日付)よると、河南省鄭州市内の街で103歳の老人が物乞いをしていることがわかったという。本来なら余生を楽しんでいるような年齢の老人に、何があったのだろうか?
この男性が見つかったのは、9日のこと。鄭州市金水区の住人が、仙人のような風貌の老人が通行人に無心をしているのを見かけた。住人がこの老人から身分証を見せてもらうと、そこには「1912年12月30日生まれ」と書かれていたという。この情報は、インターネットで中国全土に一気に広がった。
1912年といえば、孫文による中華民国設立や、タイタニック号沈没事件などの歴史的事件があった年だ。まさに、この老人は“生きる歴史書”ともいえるかもしれない。ネットでの反響も大きかったことから動き出した地元政府は、オフィシャルのSNS上で、この老人を保護したことを発表。この老人には5人の息子がおり、息子たちは経済的にあまり恵まれた暮らしをしていないため、生活費の足しにしてもらおうと、自ら街に出て通行人に物乞いをしていたという。この老人を引き取りに来た子どもの1人は、地元メディアの取材にこう語っている。
「全部、私たちがいけないんです。私は病気持ちで働くことができず、そんな私のために父は物乞い行為をしていたんです。もう二度と、こんなことはさせません」
「微博」(中国版Twitter)には、この子どもたちへの憤りのコメントがたくさん寄せられた。一方で、中国の年金制度に関する意見も。
「子どもの中には、3つも持ち家があるやつもいるらしい! 親にこんなことをさせるなんて、許せない」
「よく考えたら、この老人の子どもも、すでに老人だろ。中国は年金が少なすぎるから、こんなことも起こるんだ」
「確かに1カ月の年金が300元(6,000円)じゃ生活できないよな」