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大学教授が遺品となったパソコンを「パンドラの箱」に喩える

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16日放送の「クローズアップ現代」(NHK総合)で東京女子大学教授の黒崎政男氏が、故人のパソコンを開くことをパンドラの箱に喩える一幕があった。

番組では「そのパソコン遺(のこ)して死ねますか?」と題して、遺品として残されたパソコンやスマートフォン、そしてインターネットのブログなどのデジタルデータとの向き合い方を模索した。

国谷裕子キャスターは番組冒頭「プライバシーがぎっしりつまった場所となっているのが、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器です」「インターネットには履歴が残り、何に興味を持ちどんな行動を取っていたのか個人のプライバシーがすべて蓄積されてしまうという特性があります」とデジタルデータについて解説した。

VTRで紹介したデジタル遺品の整理に追われているという夫をガンで亡くした女性は、残されたメモリーカードの中に新婚旅行の映像など愛情のこもったものを発見していた。

ところがゲームに興味がなかった夫がゲーム会社の会員登録をしていたことや、ネット銀行に口座開設をしていたこともわかったそう。女性は「ここの画面の向こう側に(知らないことが)どれだけあるの?想定外のものがいっぱいでてくる」と戸惑っていた。

スタジオでは黒崎氏が、パソコンは取捨選択の必要がなくデータをため込んでしまう傾向があるのだと指摘した。さらにパソコンは「私個人の濃密なプライベートなクローゼットにもなっている。一方では世界に開かれているネットワークで生きている私の拠点」と解説した。

そして黒崎氏は、先ほどのVTRで登場した女性のケースを例にあげ「パンドラの箱のように開けてしまえばなにか不幸が来るような箱にも感じられる」と、故人が使っていたパソコンを不幸が詰まったパンドラの箱に喩えた。

一方で黒崎氏は、「パンドラの箱というのは最後に希望が残っていて、それも出てくるっていう構造もありますが…」とも付け加え、開かずに破棄することも故人を思いやる遺品と向き合う一つの在り方だとの見解を示した。

また、デジタル遺品の問題点について、「鍵のかかった日記帳がでてきた場合と同じもの」だとし「従来からあった遺品とどう向き合うかという問題が、より意識化・明確化されてしまった問題」と指摘した。






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