日本の伝統文化を代表する「和服」。一度は着てみたいとあこがれる外国人は少なくないようで、日本に旅する機会に和服体験をスケジュールに盛り込む観光客がいるようだ。京都で和服に袖を通した台湾人女性が、思い出をブログにつづった。友人と2人で京都の着物レンタル店を訪ねたのは、chanel(ハンドルネーム)さん。
事前にメールを送り、和服レンタルの予約希望を入れたがコミュニケーションが取れず、苦労したと報告した。「それでも何とか無事予約できた」そうで、確認の必要性を伝えた。無事に店に到着し、靴を脱いで畳の間に上がったという筆者と友人だが、女性店長に足を指され何か言われたそうだ。
「まったく聞き取れず、頭の中が霧がかってどうしたら良いかわからなかった」と、パニック状態になったらしい筆者だが、「裸足で畳を踏んではいけないと教えている」と男性スタッフの説明で理解したとのこと。申し訳ないと思わずにはいられなかった筆者は、「日本人はこのような面を重んじる」と痛感したようである。
予約と名前の照合が済むと、一番に「着物の色を選ぶ」ことから始めたという。「店長は大きな引き出しを2つ開け、中にあるどの着物を選んでもいいと伝えてくれた」とのことで、想像よりも数多くの美しい着物が揃えられており、ときめいたようだ。「好みの着物がたくさんあり、決めるのが難しかった」と述べている。
着物を選んだ後は店長始め、スタッフが熱心に手伝ってくれたそうだ。「とても親切で、言葉が通じなくても交流しようと懸命に努め、こぼれるような笑みをずっと浮かべていた」と、温かで人情味あふれる接客に感動したようだ。そして着付けのプロセスを注意深く観察した、という筆者。
「サイズの違うタオルをたくさん準備し、筒状にしていた。そして体の曲線を完全に消すように、体に入れる」と驚き珍しがった。体の形を整える日本ならではの方法に、興味を覚えたようだ。また客の着付けが完了したと知るや否や、スタッフたちが集まってその客を囲み、美しいと褒め称えるのだという。
「商売を良く理解している年配の女性スタッフ達!」と筆者は感心した。着物姿がきれいだと褒められた客は、なんともうれしく幸せな気持ちを感じるだろうと予想できる。褒められて「おおきに」と関西弁でスタッフにお礼を伝えたという筆者は、陽気な性格でコミュニケーション能力の高い女性のようだ。スタッフは楽しそうに笑ったらしく、着物を着る状況の中で温かな交流ができたようだ。
無事に着付けが済むと髪型を整えてもらい、和服用のバックを自分で選んで完璧に着物を着こなしたという筆者。寒いからとスタッフが選んだ肩掛けを、とても気に入ったそうだ。そして記念写真を撮り、京都の街を散歩した。時間になり返却のために店に戻ったが、帰り際にはお土産の用意があり感激したそうだ。
実は一年前にも京都で和服体験し、当ブログにつづった時は2度目の和服着用だった筆者。一年前には「もう着ることはない」と決め込んでいたようだが、友人に付き合う気持ちで再チャレンジした。そして「1人1人の客に誠心誠意対応してくださった。着物の色も美しかった!」とスタッフの接客や店のサービスに感動し、着物体験がより楽しく特別な思い出になったそうだ。