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【女子W杯】勝つべくして勝ったオランダ戦。なでしこが見せた“らしさ”とは

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「オランダが日本の良さを消してくるサッカーじゃなく、オランダらしいサッカーをしてきたことで、戦い方としては分かりやすかった」
 MF宮間あやが試合後にこう話したとおり、この試合で日本は危なげなく勝利を手にすることができた。

 日本は立ち上がりこそオランダの勢いのある攻撃を受けたが、10分のDF有吉佐織の先制点をきっかけに主導権を握ると、試合終了間際まで自在にボールを回した。

 MF阪口夢穂は「分かっていたことだったけど、オランダは思った以上に前からプレスに来なくて、マークもはがしやすかった」と、事前の想定以上にプレーしやすく、少々拍子抜けした感想を持っていたようだ。

 このオランダ戦で最も評価すべき点は、日本が攻め急がない腰を据えたサッカーを披露したことだろう。

 前からプレスに来ない相手に対して、仮に早い時間にリードを広げようと攻め急いでいたら、無駄に相手にボールを渡すことになり、オランダが狙うカウンターの餌食になっていたはずだ。

 しかし日本は、無闇なパスを前線に出さなかった。MF川澄奈穂美や宮間が、マークを外した味方選手をいち早く見つけ、成功率の高いプレーを選択。そして攻撃時にも高い守備意識を持ち、ボールを失った時に備えた。
 ロスタイムに喫した失点には不安を覚えるかもしれないが、あのシーンはGK海堀あゆみが胸トラップをして時間を有効に使おうとしたもの。私見を述べれば大きな問題ではないように感じる。次に同じようなシーンがあれば素直にキャッチするだろうし、ミックスゾーンに現われた選手たちも一様に失点を深刻に捉えていなかった。

 それより評価すべきは、失点直後のナーバスになりがちな時間でも、海堀は勇気を持って前に飛び出し、ピンチを防いだことだ。失点シーンを除けば、海堀のプレーは完璧に近かった。

 ただ、日本が次からもこういうサッカーを続けられるかというと、それは違う。

「次につながったことはポジティブに捉えるけど、オーストラリアなど今後対戦するチームはオランダとは違う」とDF熊谷紗希が言えば、宮間も「次から対戦するチームは日本の良さを消すサッカーをしてくるはず。楽観視はできない。チームとして1試合ずつ大きくなるような内容にしたい」と、早くも次のエドモントンでの準々決勝・オーストラリア戦(日本時間28日5:00~)を見据えている。

 勝つべくして勝ったオランダ戦を終え、日本はよりしたたかな相手が待つ次戦以降へ向かう。連覇への道は、まだまだ険しそうだ。



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