(ガスバーナーで子犬を焼き殺した若い中国人女性)
中国で最近、若い女性がガスバーナーで犬を焼き殺す映像が出回り、注目を集めている。国内では所得の増加により、犬を番犬やペットとして所持する家庭が増え、犬食は希少となり、ごく一部の地方に風習として残存するのみとなっている。そのため、この女性を「酷い動物虐待だ」と非難する声が圧倒的多数を占めている。
約28秒間の動画で、黒いドレスに赤いハイヒールを履いた若い女性が、縛られた犬に向けてガスバーナーから火を放った。犬の身体に火を当てながら何度もカメラに向かって微笑みを浮かべる女性。子犬は懸命にもがいていたが、徐々に動かなくなり、黒焦げの状態になってしまった。
撮影場所に関する説明はないが、多くのネット利用者は広西チワン族自治区の玉林市だと指摘する。同市で毎年6月に開催される「犬肉祭り」では郷土料理として子犬の丸焼きが振る舞われるためだ。先月開催された祭りでは1万匹の犬が食用処理され、大論争を巻き起こしたばかりだ。
動画が公開された後、生きた子犬を焼いた女性に対し、多くのネットユーザーが怒り、「残虐極まりない」など批判のコメントを寄せた。「犬食には反対しないが、悪意ある動物虐待に反対する」、「命を尊ばないやつは罰が当たる」、「ひどいわね。肉を食べるのにこんなに痛めつけるなんて」
一方で、玉林市の地元住民と見られる中年男性はメディアの取材に対して「法律に違反しているわけではない。ならば(批判者に)牛を食べるなと言ってやる」と応酬した。
アジアの動物権利団体「アニマル・アジア」が発表した2015年の調査によると、今日の中国で犬食は珍しく、都市部では「この2年以内に犬肉を食べたことがある」と回答した人は20%だった。また回答者の9割は犬食に抵抗があると答えた。
また、犬を所持する理由について、9割の人が「番犬」と回答し、45%が「視覚障害者の伴走」、33%が「ペット」、「食用」は8%だった。