中国人民解放軍機関紙「解放軍報」(電子版)は6月下旬、ホームページ上の目立つところにある写真特集の欄で、日本の寿司屋で作られているという「戦車寿司」や「軍艦寿司」の写真を掲載。「このような小さな寿司に(日本)民族の人々の気持ちが反映されている。この種の軍国主義の兵器を記念する行動は、まさに日本の軍国主義の復活を説明しているのだ」と報じて、日本で軍国主義が復活していると結論付けている。
戦車寿司は海苔巻きやいくらの軍艦巻きなどを使って、戦車の形を模したもの。細巻をキャタピラ的に模している。軍艦寿司も同じように軍艦の形をした寿司だ。
解放軍報はこれらの写真を数点掲載し、「もし、あなたが日本に行って、寿司屋に入り、戦車や軍艦の形をした寿司を出されたら、どのような気持ちになるだろうか」と書き、このような寿司を作り出した店主の創意工夫は認めるとしながらも、次のように続けている。
「寿司は日本社会に深く根づいた伝統文化とみなすことができる。このような寿司で、第二次世界大戦当時の日本海軍の連合艦隊の各種艦船や戦車を作ることは、ある意味では、日本の一般民衆に軍事的宣伝をするという一種の潜在意識が働いており、日本民族の第2次世界大戦に対する態度を反映しているのだ」
同紙は、このような分析を行なったあとで、前述したように、「まさに日本の軍国主義の復活を説明しているのだ」と強調しているのだが、これはこじつけ以外の何ものでもない。
この記事を読んだ中国の人々の書き込みでは、「寿司と軍国主義に何の関係があるのか。まさか、日本では調理師学校の生徒が兵隊になるというのか」などという同紙を強く批判するものが多い。
中国では2012年11月に習近平指導部が発足してから、沖縄県尖閣諸島の問題などもあり、これまで以上に一段と反日気運が高まっており、今回の解放軍報の記事も、このような習近平指導部の対日政策を反映したもので、「日本の軍国主義の復活」を無理矢理こじつけようとしたプロパガンダのようだ。