米航空宇宙局(NASA)は15日、無人探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に接近した際に撮影した写真を公開した。冥王星の赤道付近には富士山と同規模の3500メートル級の氷の山が連なっていた。
探査機ニューホライズンズが14日に撮影した冥王星の地表。高さ約3500メートルもの山々(中央)が集まり、近くにクレーターのない平地が広がっている(左下のスケールは約80キロ)=NASA提供・共同
探査機ニューホライズンズが14日に撮影した冥王星の地表。高さ約3500メートルもの山々(中央)が集まり、近くにクレーターのない平地が広がっている(左下のスケールは約80キロ)=NASA提供・共同
冥王星の写真は14日、最接近する1時間半前に撮影した。山ができた時期は1億年前より新しく、まだ形成途上とみられる。研究チームは「冥王星の温度(セ氏零下230度程度)では、氷が岩のようになる」とみている。
13日撮影した最大の衛星「カロン」の写真では、深さ7~9キロメートルの谷が1千キロメートルほど延びている様子が確認できる。地表にはクレーターが少なく、最近の地質活動で地形が変わったとみられる。
探査機から地球までの無線通信には片道4時間半かかり、すべての観測データが届くのは16カ月後になる見通し。