2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんだことについて、デザイン選考時の審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏(73)が16日、東京都内で記者会見し、「選んだ責任はあるが、なぜ2520億円になったのか私も聞きたい」と述べ、政府がさらなる見直しの検討を始めたことに「(現行案は)残してほしいと思うが、値段が合わないのなら、徹底的に討論してほしい」と述べた。
費用高騰などが問題化して以降、安藤氏が公の場で発言するのは初めて。安藤氏は今月7日、2520億円を承認した日本スポーツ振興センターの有識者会議を欠席。これに関し、「欠席したから責任があるというのはわからない」と自身に批判が集まっていることに疑問を呈した。
デザインが費用高騰を招いたとの批判には、選考時に「1300億円」の予算が示されていたと強調。その上で「デザインを決める場で、コストについて徹底的な議論にはなっていなかった」と釈明した。
安藤氏を巡っては、下村文部科学相が10日、「選んだ理由を堂々と発言してほしい」と述べるなど、その発言が注目されていた。