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中国人が爆買いする「神薬12」 日本人が知らなかった小林製薬のスゴイ実力

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 とくに昨年10月に中国のネットメディアで「日本に行ったら買わねばならない」と紹介された「12の医薬品」が売り上げを伸ばし、そのなかで5製品が取り上げられたのが中堅大衆薬メーカーの小林製薬だ。なぜ同社の製品が支持されるのか。ニッチでも類似品のない新市場の開拓を目指すオリジナル戦略が中国人らのハートをつかみ、爆発的なヒットにつながっている。(阿部佐知子)

神薬の売れゆき

 「インバウンドの取り込み策を強化する」。

 7月1日の新製品発表会で、小林製薬の小林章浩社長はこう意気込んだ。

 好調なのが傷口に塗ると皮膜で菌の侵入を防ぐ液体絆創膏「サカムケア」だ。今年4~6月の売り上げが前年同期の5倍以上となった。そのほか、皮膚の赤みを改善する塗り薬「ニノキュア」は約1・5倍、額に貼るタイプの冷却用「熱さまシート」は約4割増になった。

 売り上げが伸び始めたのが昨年秋ごろだ。昨年10月に中国の大手ポータルサイト、捜狐(SOHU)で、「日本に行ったら買わねばならない12の医薬品」という記事が掲載されたのがきっかけだという。

 このサイトでは、サカムケアは「傷口を水分から保護するので衛生的」と紹介され、熱さまシートは「はがれにくい。急な発熱のために常備したい」とコメントが載っている。

売れる理由は「他にはない」

 なぜ、これらが売れ行きが好調なのか。小林製薬の広報担当者は「日本製の安心感と類似商品がないためでは」と分析する。


 このほか12製品に選ばれた大正製薬の「口内炎パッチ」は、塗り薬が一般的な口内炎薬でシールのように貼るタイプにしたのが特徴で、患部に密着させることができるのがユニークだ。また、同じく12製品に入った参天製薬の目薬「サンテボーティエ」は疲れ目に対する効能だけでなく、香水の瓶のような容器とバラの香りが高級感があり女性向けと紹介された。

小林製薬の戦略

 大衆薬で市場規模が大きいのは、ドリンク剤や胃腸薬、風邪薬などだ。それだけに発売する会社は多く、大規模な投資ができる大手でないと差別化や新規参入は難しいのが現状だ。このため中堅メーカーの小林製薬は、あえてこういった売り上げ規模の大きい市場を狙わず「新市場を開拓し、そこで高いシェアを獲得すること」(小林社長)をビジネススタイルとして追求している。

 たとえば、額に貼る冷却シートの市場は45億円程度で、同社の熱さまシートがシェア約54%を占める。市場規模は500億円近くにのぼる解熱鎮痛剤には遠く及ばないが、そこで数%を売り上げるより、自ら市場を開拓して確実に収益を上げていくやり方だ。

 最大手でないからこそ、こういった「ニッチ」を狙った商品開発を成功させてきた同社は、他にも女性用保健薬でシェア57%の「命の母」や、洗眼薬シェア65%の「アイボン」シリーズなどを持つ。

 同社は中国人ら訪日外国人の爆買いの影響で平成26年度の売り上げが約8億円伸びたと分析しており、今年はさらに拡大を見込む。訪日外国人の動向に迅速に対応するための営業担当者を今年4月に配備するなど対応も進めるなか、同社のニッチでもオリジナルな新商品を開発する戦略が思わぬ視点で効果を生み出している。





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