成田空港に3本目の滑走路をつくる計画が、現実味を帯びてきた。国や千葉県など地元自治体が参加する協議会を立ち上げ、月内にも建設するべきかどうかの検討を始める。地元選出の与党議員らは建設を求める一方、騒音を心配する住民の反発は強い。
自民党の成田国際空港推進議員連盟の二階俊博会長ら4人は3日、太田昭宏国土交通相を訪ね、成田の滑走路の増設を求めた。太田氏はその場で、初めて開かれることになる協議会への国の参加を了承した。
二階会長は会談後、「成田は国際化の玄関として極めて重要。大臣は熱心に我々の意見を聞いてくれた」と話した。工期の短縮や、来年度予算の概算要求に関連の費用を盛り込むことにも期待を示した。同席した千葉県選出の渡辺博道衆院議員も「(東京五輪の)2020年で終わりではない。その後も観光客は誘致しなければならず、成田の役割はますます重要」と強調した。
国交省の有識者会議は昨年、いまある「B滑走路」の東側に平行する滑走路を新たにつくることで、1日あたり約50~200便を増やせるとの検討結果をまとめた。新滑走路の費用は、用地買収を含めても1千億~2千億円ほど。国と千葉県、成田市など周辺自治体、成田空港会社も参加する協議会は、この有識者会議の案を軸に、建設の必要性を検討するという。