11日付の中国軍の機関紙「解放軍報」は、収賄と公金横領などの罪に問われた軍総後勤部の谷俊山・元副部長(中将)が10日に軍事法院(裁判所)で執行猶予付きの死刑判決を言い渡されたと報じた。
同紙はまた、「法規を無視した者は必ず厳しく罰せられる」と題する解説記事を掲載した。
記事は「谷被告に対する判決は、わが党が腐敗と徹底的に戦う姿勢を示したものであり、党員幹部への戒めでもある」と指摘、「党内には法律や規定に縛られない“特別党員”などは存在しない。どんなに地位が高く権力があっても、違法行為をすれば、必ず罰せられる」と強調した。
中国メディアの報道によれば、谷氏の収賄総額は200億元(4千億円)に達している。中国の裁判で、汚職金額が1億元(約20億円)を超えれば死刑判決が下されるのが相場といわれており、谷氏への猶予付き判決は「温情」の印象もある。共産党関係者は「谷氏は取り調べに対し、上司だった徐才厚、郭伯雄の2人の前軍事委員会副主席(いずれも失脚)の汚職について供述したことで当局との司法取引が成立している」との見方を示した。