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佐野研二郎氏デザインにまた「盗用」指摘 今度はトートバッグ、焼き目や模様、細かな傷も「一致」

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自身がデザインを手がけた2020年東京オリンピックの公式エンブレムにベルギーのデザイン会社から「盗用」を指摘された佐野研二郎氏だが、他の作品にも「盗用」騒ぎが浮上している。やり玉に挙がったのは、サントリーが2015年7月7日から8月31日まで開催しているキャンペーンの景品のトートバッグだ。



ネットユーザーが、デザインに使われたフランスパンとよく似た写真を掲載する個人ブログを発見。ブログ主も「確かに一致しててビックリしました」と認め、騒ぎが広がっている。

反転させると個人ブログの写真にそっくり

トートバッグは、ノンアルコール炭酸飲料ブランド「オールフリー」を対象に、商品に貼られたシールを48点分集めると計31種類の中から1つもらえる。多くはスイカや水着、サングラスなど夏を連想させるモノをモチーフにしたデザインだ。
一方、ネット上では、数種類にデザインの「盗用」疑惑が浮上していた。特に半分だけのフランスパンがあしらわれたものに関しては、パンのレビューを記すあるブログの管理人が8月10日、「(ブログの掲載写真と)一致している」と認めている。

管理人は14年10月21日のブログ記事で全国各地に店舗を持つある有名店のフランスパンを紹介し、自分で撮影したパンの写真も掲載した。


しかし、サントリーのキャンペーンが始まると、ネット上ではバッグにこのブログの写真が使われている、と指摘が上がった。バッグのデザインはブログのフランスパン写真を半分切り取って反転させたもの、というのがネットユーザーの主張だ。
ネット上ではすでにブログの写真とバッグの画像を合成したコラージュも出回り、双方を比較できる。それを見る限り、パンの焼き目や亀裂模様(クープ)など多くの点でよく似ている。
ネットユーザーから指摘を受けた管理人は15年8月10日、同記事のコメント欄で、既製品の写真を掲載しているだけなので著作権的に何も言えない、とことわりつつも
「回転して一部分にしてるんですね・・・。確かに一致しててビックリしました」と写真とデザインが同じものであると認めた。



これを受け、複数のネットメディアが「(佐野氏は)盗用確定的」といった見出しで騒ぎを報じたため、佐野氏への批判は一層強まった。

一般的に、料理や食べ物の写真に著作権が認められるケースは少なく、この件で法的な責任を問うのは難しそうだ。

ただ、佐野氏は5日に東京オリンピック公式エンブレムの問題で記者会見した際、過去の作品も含めた「盗用」疑惑について、

「そういった声があるとしたら、ものすごく残念。ものをパクるということは一切ありません」

と断言している。この発言が影響しているためか、ネットユーザーの怒りは収まる気配がない。

果たして「盗用」は事実なのか。佐野氏の主宰するデザイン事務所「MR_DESIGN」(東京都渋谷区)に取材したが、「担当者が夏季休暇中」とのことで話を聞けなかった。

また、サントリー側も取材に対し、「全体像が分からないので、現時点では確認中です」とのみ答えた。

大学教授「小保方と同じ道を辿っている」と警告

前述の通り、これ以外にもネットユーザーが「盗用」を指摘するトートバッグのデザインが数種類ある。「BEACH」と書かれた赤色の標識をあしらったものもその一つだ。こちらは、アメリカのIT企業「リンデン・ラボ」が運営するアバターのみの仮想世界「セカンドライフ」で、よく似たデザインの標識が販売されているのがネットユーザーに発見されている。「BEACH」と書かれた矢印形の赤い木製標識で、質感を表現するため細かな傷もついている。トートバッグと見比べると、色形だけでなく傷のつけ方までほぼ一致しているように見える。

相次ぐ「盗用」の指摘に、専門家の目も厳しい。大阪芸術大学の純丘曜彰教授は8月10日、ネットメディア「INSIGHTNOW!!」に寄せた「東京オリンピック・エンブレムはもう無理筋」と題するコラムの中でトートバッグの問題に触れて「元ネタが割れている」と断定、「著作の独立性を主張するのはもはや無理」と厳しく指摘した。

さらに、14年に世間を騒がせたSTAP細胞問題とからめ「小保方と同じ道を辿っている」と批判した。





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