日本に行くのは「刺身を食べるため!」と断言する台湾人女性が、立ち食い寿司屋での食事体験をブログにつづった。台湾では体験できない内容だったとのことだ。旅行好きなfullfen(ハンドルネーム)さんは日本を度々訪ねているようだが、とにかく「食」を重視しているらしい。
最近気になるのは立ち食いの店。「台湾では食事の時は座って食べるのが一般的だが、日本では立って食べる店が少なくない」と感じたそうで、東京旅行中に吉祥寺の立ち食い寿司屋に入ったという。寿司職人が寿司を握る場面をすぐそばで見られる事も、店に入る決め手になったようだ。「台湾とは店の雰囲気が全く違う」と述べている。
店に入ると簡単に見渡せる小さなスペースに驚いたようだが、「カウンターとレジがあるだけで、職人がカウンターの中で寿司を握り、1人の女性が注文を受ける」システムだったとのことで、立ったままで店内を見回し、珍しい日本文化を体験している実感がわいてきたそうだ。
「メニューはカウンターの上にあり、客自らが手に取って見て注文する。寿司定食があり、単品での注文可」と説明した筆者は、写真技術が優れている日本では「メニューを見ただけでよだれが出る」と述べている。写真でできた寿司メニューは、美味しそうに見え食欲がそそられたらしい。
写真付きで価格も表記されているメニューに、安心感を覚えた筆者と同行者だったが、日本語のみでは理解できず、「ギャンブルをしているかのような気持ちで注文した」事実もあったという。何が出されるかと楽しんだようだが、皿代わりに笹の葉を使っている点を不思議に感じたそうだ。
また「味噌汁は塩からいが美味しかった」、「お茶や醤油はセルフサービスだ」、「職人1人が寿司を握っているがとても速く、いつの間にか笹の葉の上に寿司が載っている」と感想を述べた筆者だったが、寿司を口にし「新鮮で美味しい!」とまとめ、日本の刺身の鮮度の良さに感動したとのこと。ネタが築地市場から直送される寿司屋だったとのことで、新鮮な魚をたっぷり味わったそうだ。
そして絶品だったのは「炙りサーモン」だったという。これまで食べた経験がなく、「表面は黒いコゲが見え焼けているが、中はとろっとしていて半分刺身」と食感に驚き、柔らかなサーモンの味が口に馴染んでとろけるように広がったなど、伝えた。「半熟の刺身」と表現し、日本の特別な味だと大絶賛している。
その他にも日本でしか味わえないようなネタがあり、心引かれたようだが「食べられない品を注文しても仕方ない」とばかりに、冒険的な食べ方は控えたという。台湾の人々はナマ物には慎重なのかもしれない。加えてビールや日本酒といったアルコール類が、注文できることに驚いたそうだ。回転寿司屋など、ファミリーで気軽に行けるような台湾の寿司屋では、お酒は販売していないのかもしれない。
ブログの最後は、美味しい寿司を本場の日本でリーズナブルな価格で食べられ、「大満足」とまとめた筆者だが、立ち食いは楽しいが「ゆっくり座って味わいたい」と本音を述べた。台湾人からすれば立ち食いは日本独特の文化で、様々な食のスタイルがあると学んだようだ。