京都市交通局は19日、地下鉄の終電を10月から金曜日限定で30分延長する、と発表した。現在は全国九つの公営地下鉄の中で最も終電が早いが、利用者の要望に応じ、烏丸、東西両線の上下線各1本の計4本を増便する。30分もの終電延長は1981年の地下鉄開業以来、初めて。
現在は午前0時19分に東西線六地蔵駅に到着する電車が最も遅く、近隣の大阪市、神戸市と比べて20分以上も早い。京都市営地下鉄は経営再建が義務付けられる健全化団体に指定中で、年間2億円の費用がかかる終電延長には踏み切れなかった。しかし、観光客増加や大学移転などの効果で経営改善が進み、多くの利用客が見込める金曜だけなら、採算がとれなくても大きな影響はないと判断した。
10月から金曜の終電は、烏丸線竹田駅発が午前0時10分、国際会館発が同0時9分、東西線太秦天神川駅発が同0時15分、六地蔵駅発が午後11時58分と、それぞれ現在より30分遅くなる。終電の最も遅い到着は午前0時49分(六地蔵駅)となり、終電時間は公営地下鉄では遅い方から5番目となる。
現在はJR大阪駅を午後11時に発車する新快速で帰らないと、京都駅で烏丸線国際会館行き終電に乗れないが、10月からは金曜に限り同11時40分発の新快速で間に合うようになる。
3年間試行し、他の曜日に拡大するか検討する。門川大作市長は「採算をとるのは厳しいが、金曜日の夜を京都で長く楽しんでほしい」と話した。同局は金曜終電の愛称を9月7日まで電子メールなどで募っている。同局ホームページから応募できる。