日本のアニメは今や、世界的人気を誇る「一大輸出産業」と目され、「自他ともに“オタク”を自認する」などと発言した麻生前政権では、日中友好を演出する「ツール」としての役割も果たした。中国人ブロガーの「三畳悸(ハンドルネーム)」さんはこのほど、日本のアニメには「人間の永遠のテーマがある」と力説、多くを学んだと言及する一方、「盲目的に日本に追随しているのではない」と語り、自身が「親日」と見られることに違和感を示した。
「三畳悸」さんは、自身が視聴したテレビアニメを次々と挙げ、「米国のアニメと比べ、日本のアニメの方がアジア人として感覚にフィットする」と語り、ただ小ざかしい人物を描くだけではない、人間生活の理想や楽しさを描く日本のアニメに夢中な様子を示した。
中でも「三畳悸」さんは、『新世紀GPXサイバーフォーミュラー』への思いを文中で熱く語っており、挫折を繰り返してもひたすら勝利を追いかけ、最終的に栄光をつかむ主人公の姿に、「(同作は)成長の過程に友や、あきらめない精神が大事だと教えてくれる。私たちはいつも他人の偉大な功績をうらやましがるが、アニメを見れば、喜びをかみしめるには努力が必要なんだとわかる」などと語り、努力の過程の美しさを評し、学ぶことが多いと伝えた。
また、日本のアニメについても「時にリアルで、時に無限の空想を与えてくれる。また生き生きとしたキャラクターが数多く登場し、人類の永遠のテーマである愛や勇気、探求、理想、現実への情熱などを思い出させてくれる」などと良さを伝え、生きるために必要なものだとつづった。
一方、「三畳悸」さんは自身の父親世代の人たちから、「親日」と目されることには違和感を示し、「もし親日だというなら、私は否定しない。でも、親日という言葉は盲目的に日本を追いかける類(たぐい)の人間を指すのではないか」などと不満を述べ、自身がはまっているのはあくまで「日本のアニメ」であり「日本」ではない、とくぎを刺した。
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日本のアニメ産業は世界から注目を集める反面、雇用など労働条件の問題が重くのしかかり、今後を担う人材の育成が課題だと見られる。一方、中国や韓国などの国では、安価な人件費を見込んだ日本のアニメーション制作現場からの業務委託が増加し、自国のアニメ産業の今後の発展に期待がかかっている。