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「シリアでは死に直面・・・有刺鉄線など怖くない」 ハンガリーに入る難民たち

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ハンガリーのオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相は、大量の難民が国内に流入するのを防ぐ唯一の解決策はセルビアとの国境沿いに設置した有刺鉄線のフェンスだと豪語している。
しかし、AFPの取材で明らかになったのは、祖国の内戦や、地中海(Mediterranean)  を渡る危険な航海、数百キロの徒歩移動で無感覚になった人々を追い返したいなら、オルバン首相は、もっと厳しく当たる必要があるだろうということだった。

「私たちは、ハンガリー警察もフェンスも恐れていません」と、セルビア側からフェンスをよじ登り、安全な欧州連合(EU)圏内に向かっていたシリア人女性のナスリーンさん(29)はAFPに語った。

「シリアで私たちが経験したことに比べたら、大したことじゃありません」とナスリーンさんは言う。「シリアは破壊され、私たちは毎日のように、爆弾、暗殺、流血、死に直面していたのですから」

ハンガリー当局が手続きした移民の入国者は、26日だけで3000人という過去最多を記録し、そのうち、700人が子どもだった。わずか数日前までの移民の1日当たりの平均入国者数は1000~1500人。今年上半期に手続きをした人数は1日当たり250~500人だったことを考えると、急増している。今年に入ってからすでに14万人以上の移民がハンガリーに入国した。 

27日の朝、ハンガリー南部ロスケ(Roszke)の近くでは、主にシリアとアフガニスタンからの難民の家族たちが有刺鉄線の下を這って進む姿がはっきりと見て取れた。男性が持ち上げた有刺鉄線の下をくぐる際に髪が引っ掛り泣き声を上げた女児が母親に助けられていた。その若い家族は一目散に近くの森に入って行った。 

国境付近には、難民たちが持っていくことを諦めたベビーカーやリュックサック、毛布、衣服までもが散乱していた。 
■ハンガリー滞在希望者はゼロ

ハンガリーはEU加盟国だが、AFPの取材に対して同国にとどまりたいと答えた難民は1人もいなかった。西ヨーロッパに行きたいのだという。 

「私はドイツに行きたいんです。仕事のチャンスがあるから。医療が充実しているし、知り合いに会いに行きやすい」と、イラク人の男性教師、カシムさん(35)は語った。

カシムさんは、数か月前からずっと移動を続けている。エジプトでは仕事が見つからず、トルコでは敵意をあらわにされただけだったという。「それで、欧州行きを決意したんです」 

国境を越えた移民は、ハンガリー警察にトウモロコシ畑そばの道路沿いの合流点まで連れていかれる。そこにはバスが何台も集まっている。北へと蛇行する次の短い行程の行先は、近くの難民センターだ。 





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