便秘、またの名をふんづまり。これを、単にウンコが出ないだけだと思っていたら痛い目に遭う。人間は便秘が原因で死亡することだってあるのだ。
先日、ある20代の男性が腹痛を訴え、病院に緊急搬送されたそうだ。検査の結果、彼の体調不良の原因はウンコと判明。ウンコがたまりすぎた腸が、心臓を圧迫してしていることがわかったのだ。しかも、本来、左側にあるはずの心臓が右側に押しやられるほどのパワーだったという。
・便秘の男性、ウンコが辛い
彼の名は王さん(仮)、27歳だ。王さんは普段から腹痛とお腹の張りに悩まされていたそうだ。そしてウンコするときがとても辛い。かなりの便秘だったようで、長時間、トイレにこもってもスッキリしなかったという。
病院にもかかったが、特に異常は見られず「胃が悪いのだ」と思い込んでいたとのことである。
・ウンコが心臓を圧迫していた!
だが、ある日、王さんは耐え難い腹痛に襲われた! 緊急搬送され、検査が行われたところ、驚愕の事実が判明したのである。彼を苦しめていたのは、「結腸」、そして普段、なかなか出てこない「ウンコ」だったのである。
検査により、王さんは生まれつき結腸が拡張し肥大している疾患「先天性巨大結腸症(ヒルシュスプルング病)」であることが分かったそうだ。その人一倍大きな結腸は、10年来の宿便でいっぱいになっていたという。さらに、そのウンコで膨れ上がった結腸が心臓を圧迫し、彼の心臓は右側へと押しやられていたというのだ!
・手術でウンコ除去に成功 / 10年ぶりに心臓が元の位置に
搬送されたその日のうちに、王さんの緊急手術が行われ、腸内にたまった大量のウンコが取り除かれたのだ。その重さはなんと5キロ以上!
こうして腸内洗浄後、結腸の修復手術が行われた。その結果、右側へと圧迫されていた心臓は10年ぶりに元の位置に。王さんも10年来の便秘からついに解放されたのである。
・遅ければ腸が爆発するところだった
搬送先の医師は「適切な時期に手術できなければ、彼の腸は爆発した可能性があります。ショック症状、もしくは死亡の可能性さえありました。」と話している。さらに、臓器の圧迫は呼吸系へも悪影響を及ぼし、やはり危険なのだとか。10年もウンコに心臓が圧迫されていながら、大きな影響がなかったのは不幸中の幸いだと言える。
たかが便秘とナメていてはいけない。便秘は悪くすると人を死に至らしめることがあるというのは、覚えておかなければならないことである。なお、王さんの術後の経過は良好で手術から16日後に退院。「こんなにリラックスした気分になったことはありませんでした!」と、笑顔で話しているそうだ。