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都心から消える「県営ホテル」 老朽化、維持費かさむ

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出張する地方公務員や旅行者向けに多くの県が東京都心に建てたホテルが、次々と姿を消している。民間ホテルの台頭で安さは売り物ではなくなり、維持費もかかるためだ。実質的な県営ホテルが、その役割を終えようとしている。

 皇居西側のオフィス街にある「ふくおか会館」は、地方公務員の旅費で泊まれる宿泊施設が少なかった1979年に福岡県が建てたホテルだ。地上4階地下1階の全84室。一般の県民も利用でき、平日は7300円、土曜は6300円、日曜・祝日は5500円と周辺のホテルより割安で泊まれた。だが、3月末で営業を終了した。

 開業当初は満室も珍しくなかったが、2010~14年度の平均稼働率は7割に満たなかった。途中から民間業者に運営を委託したが、稼働率に応じて県に入る委託料は年2千万円台にとどまっていた。

 宿泊費と飛行機代を含むパック料金では民間の商品の方がお得なことが多くなり、県職員も「パック商品の方が安い」。経費節約を図る企業の日帰り出張の増加も逆風だった。

 一方、館内のエレベーターの部品が生産中止になるなど、近い将来の大規模改修は必至だった。担当者は「10年ほど前から再活用を検討していた」と打ち明ける。いまは1~2階に県の東京事務所などが入る。

 福岡県は近く会館を取り壊し、跡地を70年の定期借地契約で企業に貸し出して開発を委ねる方針。貸付料は最低年2億円。県の東京事務所がテナントとして入居する費用を差し引いても、ホテル時代より県の収入は増える計算になる。

 県営ホテルは首都圏以外の大半の県が建てたが、80年代以降に減少した。最近では07年に山形県、08年に奈良県、09年に熊本県と広島県のホテルが閉鎖。今もあるのは富山、島根、香川の3県のみだ。

 富山、島根両県の担当者は「今後の方向性は決めていない」と言うが、外部監査で「県が継続して保有する必然性が乏しい」との指摘を受けている。香川県は周辺で再開発計画が持ち上がっており、売却する方向で検討している。





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