9日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)で、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の中心メンバーである奥田愛基氏が、出演者から相次いで反論を受ける場面があった。
この日の番組には奥田氏が出演し、16日に参院で採決するとみられる安保関連法案について伊藤利尋アナウンサー、時事通信社解説委員の田崎史郎氏らと議論した。奥田氏はSEALDsの中心メンバーのひとりで、安保法案が憲法9条に違反しているとして抗議行動を行っている。
その中で、伊藤アナがSEALDsの推進するデモ活動を「国民の意思表示のひとつ」と認めた上で、国政選挙での投票の方がより有効ではないか、と奥田氏に問いかける場面があった。伊藤アナは2012年から2014年にかけて行われた衆参選挙での自民党の圧勝を挙げて、それも「国民の意思」ではないか、というのだ。
奥田氏はこの問いかけに、安倍首相が昨年末の衆院選挙を「アベノミクス選挙」と位置づけ、集団的自衛権を焦点化しなかったと反論した。さらに集団的自衛権の問題点を当時テレビで十分に取り上げていたかとの疑問を投げかけると、田崎氏が即座に「相当取り上げてましたよ?日本記者クラブの討論会でもやってたし」と反論してみせた。
コーナーの終盤には、田崎氏が今回の安保法案について、安倍首相が政権発足直後からの意志であり、支持率がどんなに下がろうと実行する心づもりだったと説明した。
この発言に奥田氏が「安倍さん自身の意志とかやりたいっていう気持ちのために、国民全員がなぜ付き合わなければならないのかって思うわけですよ」とこぼすと、田崎氏はきっぱり「そりゃ選挙で(国民が)選んだからですよ」と一蹴してみせた。
ここで奥田氏が何か発言しようとしたが、予定していた時間を押していたようで伊藤アナが遮って「国政選挙で選ばれた政治家の信念、一方で国民の声、そのバランスがひとつのテーマですね」と足早にまとめて、コーナーを締めくくっていた。
なお放送直後に、奥田氏は自身のTwitter上で、「選挙で勝ったら、なんでもして良い訳じゃないでしょうよ…。」と呟き、田崎氏や番組の作りに苦言を呈している。