韓国の柳興洙駐日大使は15日、産経新聞社を訪れ、産経新聞のウェブサイト「産経ニュース」と「SANKEI EXPRESS」紙(8月30日付)に掲載された野口裕之・本紙政治部専門委員の「米中二股 韓国が断ち切れぬ『民族の悪い遺産』」と題された記事について、「憤りを覚える内容で朴槿恵大統領や韓国国民を冒涜している」と述べ、記事の削除と謝罪を要請した。
また、柳大使は朴大統領の訪中について、「日中韓首脳会談の開催に消極的だった中国から前向きな回答を引き出した」と強調、大統領の訪中を「事大主義」と論評した同記事を批判した。
これに対し、産経新聞社の熊坂隆光社長は「記事は記者の自由な論評、評論であり、削除や謝罪をする考えはない。自由なジャーナリズムの表現は自由な社会を構成する要素のひとつだ」と要請を拒否した。
記事は韓国外交の特徴として事大主義を挙げ、朴大統領の抗日戦勝70周年記念軍事パレードへの参観を例として取り上げた。
米中二股 韓国が断ち切れぬ「民族の悪い遺産」
韓国外交を眺めていると、中島みゆきさんの名曲《時代》が、どうしても頭に浮かぶ。
♪めぐるめぐるよ時代はめぐる 別れと出会いをくり返し
時代を《事大》に置き換えると、韓国外交哀史が鮮やかに浮かび上がる。《事大主義》とは《小》が《大》に《事(つか)える》こと。強国に弱国が付き従う外交形態を指す。
「事大主義」が貫く外交
李氏朝鮮(1392~1910年)も末期、清→日本→清→日本→ロシア→日本→ロシア…と、内外情勢変化の度に事大先をコロコロと変えていった。そのDNAを色濃く継承する韓国は、李氏朝鮮の再来を思わせる見事な「事大ブリ」を披露する。最大の貿易相手国・中国が主導する金融秩序には自ら身をささげ、朴槿恵(パク・クネ)・大統領(63)は北京で催される《抗日戦争勝利70年記念》軍事パレードを参観する。いずれも米政府の反対をすり抜けたばかりか、中国の「目」を気にして、米政府の高高度防衛ミサイル配備提案も中ぶらりんにしたまま。
続 き