政治家の汚職や企業、警察の不正隠ぺいに対しては一斉攻撃する一方で、ねつ造、ヤラセ演出、局員の素行不良などの自身の不祥事は棚に上げるのがテレビ局。そんな「ムラ」体質がいまだ抜けず、身内の不始末を何かと擁護する傾向にある業界の中でも見放された、あまり評判のよくないテレビ番組があるという。
まずは、とある番組のデスクが放送開始28年を誇る、あの長寿番組の名を挙げた。
「『サンデーモーニング』(TBS系)です。関口宏の司会で知られる、日曜朝のニュースショーですよね。ただ、これまで石原慎太郎元東京都知事の韓国併合に関する発言を捏造して放送したり、また安倍晋三首相をヒトラーと喩えたりと、目にあまる“反日・反自民党”姿勢で、視聴者からも『偏向番組』として知られています。そんな意図的としか思えない偏向ぶりは、業界からも敬遠され、“主張する”報道番組としては評価できるものの、関口さんを始め、出演しているコメンテーター全員がこぞって偏った発言を繰り返しているのは薄気味悪いといわれています」
視聴者を洗脳してきたと言っても過言ではないが、その総大将である関口の人間性にも疑問を呈するのは、業界歴30年のベテランテレビマンだ。
「彼は、妻である元歌手の西田佐知子とともに『宗教法人GLA』という新興宗教団体に入信しています。もちろんそのこと自体は別段問題ないのですが、出演者やスタッフまで、とにかく無理に入信させようとするのです。それを拒否するやいなや個人攻撃が始まり、最後はクビにすることもあったようです」
そんな関口も72歳。そろそろ第一線から退いてもよさそうな年齢とも思えるが、スタート当初に制作にあたっていた局員が出世して重役クラスになっている今、世話になった関口をあえて切ることはできないだろう。
続いては、同じTBSの平日昼のワイドショーだ。
「『ひるおび!』ですね。もちろん、スタッフも寝ずに心血を注いで作っていると思いますよ。でも、その作りが、果たして自分たちのやりたいことなのかどうか、直接聞いてみたいもんですよ」(テレビディレクター)
3年連続で同時間帯の視聴率トップを獲得している同番組だが、悪評判とは一体どういうことだろうか?
「あの番組はほとんどの時間、新聞記事を紹介しているだけですよね。つまりは他人のふんどしで勝負している。新聞の早読みはもともと『ズームイン!!朝!』(日本テレビ系)が始めて各局が追随したアイディアですが、この番組はそれを前面に押し出すことで、制作のカロリーを減らしているにすぎません。放送が3時間ありますから仕方のないことなんでしょうけど、汗をかいている感じがしない」(同)
最後は放送20年、「地域密着系都市型エンターテイメント」というキャッチコピーを持つ、あの人気番組だ。
「『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)です。開始当時でこそ、そこに住んでいる人の声を聞いたり、制作者側が取材を通して感じた思いをナレーションにするなど、ハートが伝わってきたのですが、今や単なる飲食店・観光スポット紹介の番組になってしまっています。1時間通して、街全体のよさや魅力が見えてこない。また、これはキー局至上主義で仕方がないことはではありますが、取り上げられるのはほとんど東京だけで、都民以外にはあまり評判がよくありません」(放送作家)
また偶然、住んでいた街が取り上げられたという業界人は、
「10年以上その街に住んでいましたが、ベスト30に出てきたほとんどの飲食店に行ったことがありませんでしたね。もちろん取材交渉の段階で断られたところもあるのでしょうが、それにしても、いつ通っても、常連のおじいさんやおばあさんしかいないような、古めかしい軽食喫茶のお店をランキングに入れていたのにはびっくりしましたね。まあ外観は昭和の趣きで、映画のロケでもできるようないい感じの雰囲気ですが、スタッフはそこに惹かれただけでしょう」
街に住んでいないスタッフが選ぶランキングなだけに、地元の人の感覚とはかけ離れているようだ。以上、3番組の名が挙がったが、各スタッフは同業者からの声をどう受け止めるのだろうか。