日本を訪れる中国人旅行客の増加に伴い、彼らをターゲットにした無資格の旅行ガイドが問題となっている。成都商報が伝えた。
観光庁の発表によると、今年はじめから9月10日までに日本を訪れた外国人観光客はのべ1342万4000人。過去最多となっている。うち、中国からの観光客がのべ334万7000人となっている。
年々増加する中国からの旅行客をあてこんで無資格で旅行ガイドを行うケースも増えており、日本政府は「通訳案内士」の資格制度を修正することも検討している。通訳案内士は国家資格で、外国人観光客を対象に通訳と観光案内を行うことができる。外国人向けの観光ガイドとしてこの資格がなければ、報酬を得ることは許されていない。現在、通訳案内士は全国で1万8000人近い登録があるが、その6割は英語話者で、中国語人材は圧倒的に不足している。そこで、無資格の「闇ガイド」が横行するわけである。彼らの報酬は3カ月で300万円、それ以上を稼ぎ出すこともあるという。
日本のあるテレビ局による追跡取材では、この闇ガイドが観光客らを連れて行く場所には問題があるケースがある。「日本で一番安く安心な商品が買える」と称し、彼らを大手の家電量販店やドラッグストアに連れて行かず、怪しい雑居ビルの中の「免税店」に連れて行き、正規価格の数倍から10倍の価格で商品を売りつけることがある。こうした「免税店」の経営者はほとんどが中国人か韓国人だという。こうした暴利の50%は店側、25%は団体ツアー主宰の旅行会社、25%はガイドの懐に落ちる。
不幸なことにこうした悪質なツアーに参加してしまった旅行客は、日本到着後もさまざまな出費を強いられる。東京ディズニーランドに行くだけで1万円、銀座のショッピングへ行くだけで4000円と、どこかへ出かけるたびに支払いを求められる。その総額は、前もって支払っていたツアー料金を超えることも珍しくない。支払いを断ると、「二度と日本の観光ビザはとれなくなる」と脅され、公園などに放置されてどこへも連れて行ってもらえないという。