レギュラー本数はラジオを含めて12本、そのうち自身の名前が付いた冠番組は9本。一発屋からの復活どころか、もはやテレビ界になくてはならない存在となった有吉弘行。そんな彼が10日、滝川クリステルとともに司会を務めたスペシャル番組『なるほど!ザ・ワールド2015秋』(フジテレビ系)の視聴率が明らかになった。
「10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、ギリギリ2ケタでした。有吉ならもう少し数字が見込めるかなと思いましたが、内容を見る限り、彼が司会である必要はありませんでした。というより、彼の仕切りはこの番組に合いませんでしたね。くりぃむしちゅーの上田晋也だったら、もう少し場をかき回していたはず。ちなみに今回のスペシャル番組の制作会社は、同じく有吉が司会を務め、低視聴率ぶりが話題になった番組『おーい!ひろいき村』(同)を作っている。今回の数字がよければ、『ひろいき村』を終わらせて、これをレギュラーにともくろんでいたのかもしれません」(業界関係者)
内容としては、「アメリカはやっぱりスゴい!」をテーマに、2両のジェットコースターが並走し、ときに超接近するといった珍しい絶叫アトラクションや、水上ヨガといった最新エクササイズ、日本から上陸後、独自の進化を遂げるラーメンなど、アメリカの新たな文化をタレントが体験レポートしながらクイズを出題するというものだった。
かつて愛川欽也、楠田枝里子の名コンビで約15年続いた同番組の最高視聴率が36.4%だったことから考えても10%という数字は寂しい気もするが、「特別気にすることではない」と語るのは、某番組のディレクターだ。
「リバイバルものは、視聴者に足元を見透かされます。オリジナルを越えることはまずないでしょう」
確かに、最近のリバイバル番組を振り返っても、その低成績ぶりは明らかだ。去年12月、『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)に大橋巨泉が出演、その波瀾万丈な人生を振り返るとともに、最高視聴率40.8%を記録した人気番組『クイズダービー』(同)が彼の司会によって完全復活。当時のファンを喜ばせたが、結果は10.8%と平凡な数字に終わった。
また、そんな巨泉のもう1つの代表的番組『世界まるごとHOWマッチ』(同)が今年3月、ゴールデン帯で『日本まるごとHOWマッチ』と題して復活。当時ナレーションを担当し、独特の甲高い声が話題となった小倉智昭が、今回は司会とナレーション兼任で出演し、“小倉節”を炸裂させたが、フタを開けてみれば視聴率5.6%という大爆死を喫している。
“大爆死”といえば、伝説の料理番組『料理の鉄人』(フジテレビ系)のリメイク版『アイアンシェフ』を忘れてはなるまい。2012年10月、鳴り物入りでスタートしたものの、最低視聴率2.4%という歴史的大敗で、わずか半年で打ち切られた。
では、どうしてリメイク番組は数字が獲れないのだろうか?
「雑誌などを中心に『もう一度見たいテレビ番組』といったアンケートが採られることがよくあります。そのランキングに名を連ねるのは、決まって『8時だョ!全員集合』(TBS系)や『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)『天才!たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)といった、日本が元気だった頃の番組ばかりです。これらの番組に票を投じる読者は、その番組を見ていた頃の“気分”に浸りたいだけ。今、こういった番組が復活しても、今の時代の空気にはおそらくフィットしないため、『期待外れ』という烙印を押されることになるでしょう」(同)
テレビマンが必死にリメイクできそうなソフトを探しても、そこに鉱脈はなさそうだ。とはいえ、コンテンツ不足のテレビ業界。次に復活する番組は一体何なのだろうか?