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米核爆弾落下事故から半世紀、残る汚染への懸念 スペイン

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冷戦時代に核爆弾を搭載した米軍機がスペイン上空で衝突して墜落した事故を巡り、米国務省のケリー長官は19日、訪問先のスペイン・マドリードで、除染作業への協力に関する覚書に調印した。汚染土を米本土に廃棄する可能性にも言及している。

米軍の爆撃機B-52と給油機KC-135は1966年1月17日、スペイン南東部パロマレス村の上空で衝突して墜落した。

爆発の衝撃で乗員7人は死亡、同機に搭載されていた核爆弾4基のうち3基は地上に、1基は地中海に落下した。いずれも起爆装置は作動しなかったが、2基からプルトニウムが放出された。

パロマレス村には一帯に残骸が降り注いだ。住民に死者は出なかったが、村や周辺地域は放射性物質で汚染された。

事故後、米国とスペインの部隊がパロマレス入りして除染作業を進め、汚染の程度を監視し続けることで合意。事故は徐々に過去の出来事となりつつあった。

ところが今世紀の初めごろ、スペインのエネルギー環境技術研究センター(CIEMAT)が、一部地域の土壌中の放射性物質について懸念を示し、不動産開発によって影響が出た恐れがあると指摘した。

スペイン政府は汚染地域への立ち入りを規制。パロマレス周辺のカタツムリから高濃度の放射性物質が検出されたというCIEMATの報告書が2006年に発表されると、一層懸念が強まった。

ケリー長官はスペインのガルシアマルガージョ外相と共同記者会見し、「解決に向けてさらなる行動を起こす。これは非常に重要な問題だ」と強調。覚書には、汚染土の米本土への廃棄について交渉を促す内容も盛り込まれた。




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