バイデン米副大統領(72)は21日、ホワイトハウスで記者会見し、来年の大統領選への出馬を見送ると発表した。記者会見には妻のジルさんとオバマ大統領も同席した。バイデン氏の出馬断念により、民主党の指名はヒラリー・クリントン前国務長官が獲得する公算が強まった。
記者会見でバイデン氏は、息子のボーさんの死に触れて、選挙運動が成功する可能性は「閉ざされた」と語った。広報担当によると、出馬断念の意思は20日夜に固めたという。
バイデン氏は「候補者にならなくても沈黙はしない」と述べ、所得格差やがんの治療といった政策課題を挙げて「できる限りの影響力を行使するため積極的に発言する」と強調した。
同氏は数カ月前から出馬の可能性を検討していたが、意思をなかなか表明しなかったことから党内の一部で苛立ちが募りつつあった。
一方、民主党の最有力候補とされるクリントン氏は13日の候補者討論会の実績が評価され、実質的にバイデン氏の勝算はなくなったとの見方が強まっていた。