トヨタ自動車の1~9月の世界販売台数が、排ガス不正問題に揺れる独フォルクスワーゲン(VW)を抜いて世界一になった。
1~9月の販売台数はトヨタが749万台となり、VWの743万台を上回った。VWは4~6月期の販売台数でトヨタを抜いたものの、わずか3カ月しか首位の座を維持できなかった。
各社とも中国やロシアなどの市場で不振に見舞われているが、VWの場合、排出テストの不正発覚を受けて一部の国でディーゼル車の販売中止を強いられたことが追い打ちをかけた。
9月の販売実績にはまだそれほど大きな影響は表れていない。しかし販売中止などの対応に追われ、評判も傷つく中で、10~12月期にトヨタから首位を奪還するのは難しそうだ。
VWの9月までの販売実績に占めるディーゼル車の割合は、米国で20%、欧州などでは約半数に上る。問題が発覚したディーゼルエンジン「EA189」を搭載したVW車は最大で1100万台。別のエンジン「EA288」についても調査を進めている。
不正が発覚して以来、同社の時価総額の約5分の1が消滅し、ポルシェ一族やカタール、ドイツのニーダーザクセン州といった大株主が多大な損失を被っている。
一方、トヨタなどの自動車メーカー各社は、タカタ製エアバッグの問題で大規模リコールを強いられている。タカタ製エアバッグが破裂して運転手などに破片が刺さる恐れがあるとして、トヨタは世界で数百万台のリコールを発表した。