タカタ製エアバッグの欠陥問題で、米高速道路交通安全局(NHTSA)は3日、同社に対して7000万ドル(約85億円)の制裁金を科すと発表した。今後定められた義務への違反があった場合には、さらに1億3000万ドル(約157億円)を追徴するとしている。
タカタ製のエアバッグを巡っては、米国内で7人が死亡し、100人以上が負傷する原因になったとして、大規模なリコール(回収・無償修理)が実施されている。NHTSAは同社に対し、不具合を発生させたものと同様の部品の製造を段階的に中止するよう指示。同社は新規の注文を受け付けないことに同意した。
フォックス運輸長官は、「タカタは欠陥のある製品を長年にわたって製造・販売し、欠陥を認めることを拒み、NHTSA並びに顧客や一般への情報開示を怠った」と批判した。
タカタは同日、「試験の継続、インフレーター交換、当局および自動車メーカーとの協力、安全確保に向けた取り組みの更なる強化を通じて、引き続きリコール問題解決に努力する」とのコメントを発表している。
リコールの影響は自動車メーカー数十社に及び、米国では少なくとも1900万台が対象となる。フォックス長官は、対象がさらに数百万台増える可能性もあるとした。
リコール対象車のうち、10月までに修理が行われた車は23%足らず。一部は追加の修理が必要な状態だが、交換用の部品が不足してリコールははかどっていない。
タカタに対しては複数の民事訴訟も起こされているほか、米司法省からさらに多額の制裁金を科される可能性がある。司法省が昨年、リコール対応の不手際を理由にトヨタに科した制裁金は12億ドル(約1453億円)だった。