モルディブ外務省は４日、同国政府が３０日間の非常事態を宣言したと発表した。２日前には大統領官邸近くで自動車に仕掛けられた爆発物が見つかっており、治安上の脅威に対応するための措置としている。
自動車の爆発物は遠隔爆破装置が取り付けられた状態で発見され、治安部隊が２日に不発処理をした。
モルディブはインド洋に浮かぶ島国で、観光地としても人気だが、政情不安のただ中にある。
今年９月末にはヤミーン大統領と側近らが乗った船で爆発事件が起きた。大統領本人は無傷だったが、大統領夫人ら３人がけがをした。国営テレビによると、アディーブ副大統領がこの件で大統領の暗殺計画に関与したとして、反逆罪容疑で先月逮捕された。
また今年３月には、２０１２年に同国初の民主的手続きで選ばれたナシード元大統領が、テロに関与したとして禁錮１３年の判決を受けた。この裁判について、裁判官や法律家の独立に関する国連の特別報告者は「公平な裁判と法の適正な手続きという最も基本的な原則が尊重されていなかった」と非難している。