日本のエースはどこに向かうのだろうか。イタリアメディア「スカイスポーツ」によると、イタリア1部リーグ、ACミランの日本代表FW本田圭佑(29)がクラブ幹部と会談し、今シーズン終了後の退団で合意したという。とはいえ、今季はパフォーマンスが低調な上、クラブ批判を展開するなど素行面も問題視されている。移籍の道はかなり険しいはずだが…。
今季はリーグ戦で無得点の上に、6試合連続のスタメン落ち。結果を出せていない本田は4日にミランのアドリアーノ・ガリアーニ副会長(71)と会談し、来年1月の移籍を志願したと地元メディアで報じられた。ところが「スカイスポーツ」の報道によると、シーズン終了後、来年6月のミラン退団で同副会長と合意したという。
この件について本田はコメントしていないが、アタランタ戦(7日=日本時間8日)に向けた6日の会見でシニシャ・ミハイロビッチ監督(46)は「本田が移籍志願? 計画に入れられていないと感じる者がいるなら、出て行くのは自由だ。個々には替えの利かない選手はいない。出場時間が減ったなら、自分自身を責めるべきだ」と厳しい口調で切り捨てた。
地元紙は以前から本田について、トットナム、エバートン(ともにイングランド)やバレンシア(スペイン)など強豪クラブからの関心を伝えてきた。名門クラブの10番の退団は指揮官の発言を見ても“既定路線”となったのは間違いない。
今後、本田サイドは新たな所属クラブを模索していくが、問題となってくるのはやはり“舌禍事件”の影響だ。本田は先月のナポリ戦後、ミハイロビッチ監督やクラブの方針を痛烈に批判して“問題児”のレッテルを貼られたばかり。果たして、不満分子の獲得を望む欧州クラブはあるのか。
ある公認選手代理人は「日本で人気があるからスポンサー目当てで興味を示すクラブはあるかもしれない。だけど、どこだって協調性のない選手は欲しくないし、現在のパフォーマンスなら欧州トップリーグは無理。大幅に年俸(推定250万ユーロ=約3億3000万円)を下げるか、あとはトルコとかロシアにいくしかない」と断言した。
欧州では“都落ち”と言われるマイナーリーグだが、資金力のあるクラブは多く、これまでにも多くのスター選手が所属している。本田には米国や中国、中東クラブからの獲得への意欲も伝わっている。とはいえ、チャンピオンズリーグ(CL)に参戦できる欧州に残留し高年俸を維持するには、あまり多くの選択肢はないということだ。
さらに同代理人は「最悪の場合は日本に戻ればいいだけ。年俸は保証できないけどね。それに本田はオーストリアに自分のクラブ(3部ホルン)を持っているんだから、そこでプレーすればいいんじゃないのか。好きなように自由にやれるだろう?」と、まさかの“最終地点”を予測した。
本田はアタランタ戦後、日本代表としてロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(12日、カラン)とカンボジア戦(17日、プノンペン)に臨む。先が読めない状況で、自らの去就問題についてどんな見解を語るのか。