シリア北東部で今年2月、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に拉致された少数民族アッシリア人のキリスト教徒200人余りのうち、高齢者ら37人が釈放されたことが8日までに分かった。スウェーデン・ストックホルムに拠点を置く「アッシリア人権ネットワーク(AHRN)」が発表した。
AHRNによると、高齢者らは7日午前に解放され、拉致現場となったハサカ県タルタメルへバスで移動した。健康状態は全員良好だという。
ISISは2月末、アッシリア人の村や町30カ所を制圧。住民215人が拉致され、数千人が近くのキリスト教施設などへ避難した。
これまでも何度か少人数単位の解放が伝えられ、今回で計88人が帰還を果たしたことになる。AHRNは全員の解放を求めて交渉を続けているという。
ISISは厳格なイスラム法に基づく国家樹立を掲げ、宗教的少数派やイスラム教異宗派に対する迫害を続けている。