米国心臓協会(AHA)は8日、バスや電車を利用した通勤の方が徒歩通勤よりも健康的である可能性があるとの研究結果を発表した。
フロリダ(Florida)州オーランド(Orland)で開催されているAHAの「米国心臓学会議」で発表されたプレスリリースによると、「バスや電車で通勤する人は、徒歩や自転車で通勤する人よりも、糖尿病や高血圧、過体重の割合が低かった」という。
日本で行われた同研究によると、公共交通機関を利用する人は、マイカー通勤の人と比べて、過体重のリスクが44%、高血圧のリスクが27%、糖尿病のリスクが34%低かった。さらに驚きだったのは、徒歩や自転車通勤の人と比べても、健康効果がやや高かったことだ。
その理由の一つとして考えられるのは、通勤に公共交通機関を利用する人は、徒歩や自転車で通勤している人よりも、実際には長い距離を歩いている可能性があることだという。論文の主執筆者で、大阪・守口市民保健センター保健総長の辻久子さん(循環器専門医)は、「日本の都市部では、徒歩や自転車を利用した通勤時間が片道20分以上の場合には、公共交通機関や車を利用する人が多い」と述べた。