ご近所に執拗な嫌がらせを繰り返していた70歳の男が名誉棄損の疑いで逮捕された。プレゼンターの田中良幸が東京・府中の住宅街の一角にある2階建ての家を訪れると、植木鉢もよく手入れされ、玄関脇の駐車場にはベンツが置かれていた。住人の無職・岸継明容疑者はベランダに設置したスピーカーから、連日のように大音量で近所住民を誹謗中傷していたのだ。
「犯罪者○○親子は交番に自首しなさい」
近所の女性がICレコーダーに録音した岸の嫌がらせを聞かせる。「犯罪者○○親子と仲間の方、建物への襲撃はじめ挑発行為をやめなさい。子どもを利用し親子で交番職員を騙すことは重い犯罪です。交番への自首をすすめてください」
岸は3年ほど前からこうしたことを続けていて、その声は80メートル先まで届いていた。24時間続くこともあったという。また、近隣住民宅に盗聴器を仕掛けたのだろう、室内で交わされた会話を録音しスピーカーで流したこともあった。玄関先には「騒音は近隣住民による脅迫行為のため。音声は府中署の指示で発しています。公正な事案解決に協力願います」と看板を掲げていた。
妻の介護きっかけに異常行動
岸はかつては文部科学省に勤めていたらしい。いくつの国立大学の事務局長も経験したという。以前は「どちらかといえば紳士で頭のよさそうな方で、奥さんとも仲が良かった」(住民)というが、変わったのは5年前だった。「奥さんが病で倒れ、自宅で介護を始めてから。いきなり『カメラをつけて見張っているだろう』と言いがかりをつけられたのが最初でした」(近所の女性)
妻が死亡するとスピーカーによる誹謗中傷が始まった。
司会の小倉智昭「尋常ではない感じですね。認知症の初期症状は大切なものを盗まれたとか言い出したりするそうですが、奥さんが亡くなったショックと一人住まいが重なって症状が出たのかな。彼のなかで何があったんですかねえ」