地球にの接近を続けていた正体不明の物体が、間もなくインド洋に落下する見通しとなった。欧州宇宙機関(ESA)は、この物体が地上の人間に危険を及ぼす恐れはほとんどないと予測している。
謎の物体は直径2メートルほど。隕石にしては軽すぎることから、使用済みロケットの残骸の可能性が高いと見られている。大気圏突入で燃え尽きなかった断片は13日、スリランカの南岸沖約100キロの海上に落下する見通し。
「物体は白昼の空で数秒の間、非常に明るく輝いて見え、素晴らしい天体ショーが観測できる」とESAは予測する。
物体は10月3日に発見され、「WT1190F」と命名。ESAなどが大気圏突入に備えて観測を続けていた。正体については、密度が水の10%ほどしかないことから使用済みのロケットブースターの可能性が大きいと推定、「この密度は隕石にしては低すぎるが、使用済みロケットの上段など内部に空洞がある物体と一致する」と解説している。
ESAの専門家は、「将来的に隕石が大気圏に突入した場合に備え、対応を試す理想的な機会」と位置付ける。
実際、米国時間の10月31日には、同月初旬に発見されたばかりの「ハロウィーン隕石」が、地球から約48万キロの距離を通過していた。
今回の物体については、落下の日が13日の金曜日に当たることから、一部ではESAの陰謀説や宇宙人説も飛び交っている。