イラク北部クルド自治政府の治安部隊ペシュメルガは12日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に占領されている町シンジャルの奪還に向けた作戦を開始した。
自治政府によれば、ペシュメルガはシンジャルへの補給路を断つため、3方向から攻撃を仕掛けているという。
米軍主体の有志連合はこの作戦に向け、10月にイラク北部で250回を超える空爆を行った。これによりISISの戦闘拠点や司令部、武器貯蔵施設などが破壊されたという。
米国防総省によれば、ペシュメルガには有志連合の軍事顧問がついてアドバイスを行っている。また一部の顧問はシンジャル山に入り、空爆の標的を選ぶ作業を支援しているという。
有志連合の広報官は、シンジャルの奪還とともに高速道路47号線の掌握を目指すと説明。武器や兵員、闇取引の石油など資金源となる物資の輸送に使われている道路を押さえ、イラク北部の要衝モスルをシリアのラッカから分断する狙いだ。ISISはラッカを「首都」と称している。