パリで起きた同時多発テロ事件でベルギーとフランスの当局は、ベルギー生まれでフランス国籍を持つサラ・アブデスラム容疑者の行方を追っていることを明らかにした。事件から2日が過ぎた15日のパリは追悼ムードに包まれ、逃走を続ける容疑者への不安や、新たなテロに対する不安も消えていない。
ベルギーはアブデスラム容疑者を国際指名手配。フランス警察は顔写真を公開した。ただしこの男は危険人物だと警告し、一般の人がかかわらないよう呼びかけている。
ベルギー検察によると、アブデスラム容疑者は事件に関与したとされる3人兄弟の1人。残る2人のうち1人は襲撃で死亡、もう1人はベルギー警察が逮捕した。
アブデスラム容疑者が事件発生の数時間前、フランス警察に事情を聴かれていたことも分かった。捜査関係者がCNNに語ったところでは、事件発生の数時間前、ベルギーとの国境に向かっていた同容疑者の車を警察が停止させて事情を聴いたものの、拘束はしなかったという。現在の居所は分かっていない。
またパリ東部では、乗り捨てられた車の中から事件に使われたとみられるカラシニコフ自動小銃3丁が見つかった。
ベルギー当局は事件に関連して複数カ所の家宅捜索を行い、少なくとも7人を逮捕した。捜査関係者によると、この7人は実行犯と連絡を取っていたとされる。武器や爆弾は見つからなかった。
フランス検察によると、実行犯のうち2人はベルギー在住のフランス国籍の人物だった。当局は残る実行犯らの身元の確認を急ぐとともに、同時テロ計画が事前に発覚することなく実行された経緯についても捜査を進めている。